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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-1



夏まっさかりの8月。
高校入って初めての夏休みだというのに部活や鼓笛隊にしても、トランペットに追われる日々なのは全く変わっていなかった。
しかし、有難いことに明日、明後日と休みが入っていた。
まあ、来週本番を控えているので、休んでもらおうという理由からなのだが。
それでも有難いことに変わりはなかったので、有難く叔父の部屋でゲームをしていた。

「ふあ・・・ねむ・・」

叔父が今居たら、“なら寝ろよ”という言葉が返ってきそうだ。
と、思いつつゲームを進めているとマナーモードにしていなかったケータイからピアノオルゴールの着信メロディが鳴る。
最初はメールだと思い無視をしていたのだが、鳴り止まないところを見ると電話のようだ。

瑞稀はゲームを一時中断すると、電話に出た。


「もしもし・・」
『瑞稀、久しぶり』
「あ!秋乃!」

電話口から聞こえてきた少し高めの懐かしい声に、瑞稀は嬉しくなる。
高校に入ってから、まだちゃんと連絡を取れていなかった親友からだった。

「どうしたの?」
『実はさ。明日、ウチらが通ってた小学校の近くで花火大会あるじゃん。あれ、行く?』

その言葉を聞いた瑞稀はふとリビングに行き、ラックに入れっぱなしのチラシを引っ張り出した。
何枚か取ったその中に、花火のイラストが鮮やかに書かれてあるモノを見つけた。
そこには、秋乃の言った通り小学校近くの空き地で夜から花火大会をすることが詳しく載っていた。
秋乃が言っているのはこのことか、と納得した瑞稀は待たせていた電話に出た。


「ちょうど明日も休みだし、行こうかな。秋乃は?」
『そ、良かった。ウチも行こうと思ってたから。じゃあ、会えるね』
「うん!じゃあ、現地集合ってことで!」
『OK!まあ、用はそれだけなんだけど。』
「じゃあメールでも良かったじゃん!」

笑いつつも、久々に声が聞けて嬉しい瑞稀の顔は緩みっぱなしだった。
それを分かっている秋乃は、“満更でもないくせに”と笑った。
そのまま二人は近況報告から話し始めた。




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