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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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凌辱-1

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 「しぶといな、泣きもしない」

「カガリ、あまり派手にするとさすがに死にますよ。ノア様は殺すなと仰っていたでしょう?」

「だけどよ、リリス。こいつなんか生意気なんだよ」

「所詮奴隷にもなれなかったモルモットです。悪足掻きくらい許してあげなさい」

幅の広いタイルの縁にうつ伏せに身を乗り出して、シウは頭上から聞こえてくる会話に逃げる隙を探していた。

静かに休んでいたシウの元にこの二人が訪れたのは、つい先刻のこと。

自分と同じくらいの少年と少女の二人で、入浴をするから着いてこいと言われ疑いもせず従った。

シウに与えられた部屋にもシャワークロークは備え付けられていたが、この施設に入ったばかりの彼女はそんなものまだ知らない。

「はあっ・・はっ、はあっ」

一面タイル張りの大浴場に響くほど激しい呼吸を繰り返す彼女の髪を鷲掴み、カガリと呼ばれた少年は一層その手に力を込める。

「ほら、もっとよく顔洗えよ」

「っ・・・・!」

湯気のない浴槽に並々と張られた冷水。身を乗り出すシウの後頭部を押さえ付け首が浸るまでその中に沈めていく。

バシャバシャと腕を突っ張ね抵抗するシウは全身ずぶ濡れで、冷水を浴び続ける身体は既に冷たく凍えていた。

この場所をシウが訪れたのは二度目であった。


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