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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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凌辱-2

 アズールに送られる前、ここで身体を根こそぎ洗われたのは記憶に新しい。

実験体や奴隷の洗浄を目的とした場所であり、浴場には凡そ似つかわしくない器具があったことをシウは覚えている。

最初の洗浄でそれを行使されることはなかったが、それはアズールの計らいがあったからで今回は別である。

酸素を求め暴れる頭を水中に押さえ付け、カガリはドロリとした潤滑剤を彼女のうつ伏せに突き出した尻に垂らす。

それを塗り広げ水面から引き上げたられたシウは息も疎かなうちにカガリを見上げ睨み付けた。

「その目が生意気だって言ってんだよ」

睨み返したカガリが平手を振り上げる。

バシンっと頬に鋭い痛みが走り水しぶきを散らしてシウは上半身を水に投げ打った。

一歩後ろからその様子を傍観していた少女リリスは溜息を吐き、もう一度振り上げられたカガリの手首を掴む。

「やめなさい。そんなに気に入らないのなら目を隠してしまえばいいでしょう?」

「お前こそ見てないで何かしろよ。ノア様に言い付けるぞ」

「貴方に言い付けられることなど何もありません。服が濡れるのが嫌なんです。そろそろ水遊びは終わりにしてください」

「・・・・分かったよ」

海藻のように水面でゆらゆら漂う上半身を強引に持ち上げて、カガリがタイルの縁からシウを引き釣り落とす。

ぐったりと倒れたシウの横に屈んだリリスは口元だけの笑みを作り、周囲をぐるりと見渡して凍えた腕に手を差し出した。

「立てますか?」

「ハッ、リリス様はお優しいことで」

嫌味を込めて嘲るカガリに鼻で笑ったリリスはこう繋ぐ。

「だって移動してくれなきゃ困るでしょう?モルモットの分際で抱いて運べと?」


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