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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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凌辱-4

 その拘束台は些か不思議な形をしていた。

背の低い机に見えなくもない、三角形に極めて近い台形。

突き上げるように胴体だけをまざまざと晒す表面に対し、傾斜のついた側面、その両側の中間点にあたる場所には太い金属が打ち付けられている。

そこへ押し倒されたシウはダラリとはみ出した頭を持ち上げるも、すかさず頚部を掴んだリリスに動作を制止されてしまう。

抵抗しようとした腕はカガリによって捕らえられ、右の足首には右手首を、左も同様に、自らで掴むようにして拘束具が宛がわれた。

そしてそれぞれは台を跨いだ左右にある金属に取り付けられる。

仰向けで両端の床に四肢を引っ張られるという霰もない格好。

ちょうど九十度に広げられた股座は手首と同じ場所まで足首を不自然に持っていかれ下がっているため、隠すことはおろか持ち上げることも出来ない。

拘束台の可笑しな形に無理矢理に添ったシウの身体は、まるで手足をもがれ仰向けに転がった達磨のようであった。

ひくり、と緊張の走る鼠径部の筋が浮き上がる。

「まな板の上の鯉って下界の言葉、知ってるか?」

今まで暴力的な行為ばかり虐げてきたカガリが鼻を鳴らし、頭側から逆さまにシウの顔を見下ろして肩の上に手を付く。

「・・・・なっ、触るな・・・っ」

「今さら何したって遅いんだよ。リリスはしつこいんだ、喉の一つや二つ潰れる覚悟しとけよ?」

「本人を前にしつこいとは言ってくれますね。最近の玩具がどれも朦弱だっただけですよ」

「お前こそ、殺すなよ?」

「承知しています。彼女、タフみたいなので多少のことなら大丈夫でしょう」

「アズール様のペットだろ?ぶっ壊れてもあの方ならすぐに治してくれんだろ」

カガリはそう言うと年相応な無邪気な少年らしく、くしゃりと破顔した。

シウは床に向かって垂れる頭をふるふると、力なく横に振る。


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