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魔法少女ありす
【コメディ その他小説】

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トリック オア トリート-3

「その感情。刷り込まれたものかも」
ありすが問う。
「自分でもそう思うけど判っていても玩具にされても言いなりになるしかなった。だから、もう、このまま逝かせて欲しい」
「ありすちゃん!」
「ほい?」
「助けてあげれない?」
「どのように助けたいの?」
「えっ?」
「命を助けるの?本人の希望は、永眠みたいだけど?」
「命を助けて下っ端貴族から解放されて・・みたいな」
「でも国際指名手配されてるから」
「もういいの。私の望みはこのまま、逝く事だけよ」
「と言ってるけど?」
「絶対ダメーっ!コピーだってこの世に生を受けた以上自分の意志で生きる権利があるはずよ」
「私は自分の意思で生きる事ができない。あの男爵の命じるままにしか」
「それが解決できればまだ死にたくない?」
「そんな都合のいい事があるはずがない」
「そんな事聞いてない。生きたいのか!このまま永眠したいのかを聞きたいの!」
「生きたかった。ちゃんと子供から人生をやりたかった。でも・・・もう・・・意識が・・・」
カミーラは、涙が溢れて落ちる目を閉じる。
「あ、ありすちゃん!」
カミラがすがるような目で見てる。
「もうっ・・ここで死んじゃったら私、人殺しになっちゃうじゃん」
「じゃあ、初めから助けるつもりだったのね」
カミラの表情が、ぱっと明るくなる。
「まっとうに生きる気があるか確認したかっただけ」
「ありすちゃん!ありがとう!」
「カミラちゃんにも確認したい事が・・・助けていいのね?」
「もちろん!」
「妹と娘どっちがいい?」
「なに?」
「カミーラの立場だよ」
「私まだ14歳だよ」
「だから、その場合はカミーラを10年後に飛ばす」
「ええっ??妹の場合は?」
「14年前に飛ばす」
「娘は、ちょっと・・・」
「OK」
「あの・・・ありすちゃん?そのさっき言った都合のよすぎる事って可能なの?」
「命を助けて、変態ロリコン男爵から開放して普通に子供のころから人生を送り、指名手配もされないようします」
「まじ?」
「まあそのぶん、こっちも命削るし」
「・・・ありすちゃんって本当は、魔法少女じゃなくて神様の類じゃないの?」
「とんでもねえだ。おらあ、魔法少女だ」
{なんですの?それは?」
「なんでもないです。あっ!電話しないと」
ありすは、携帯を取り出す。
「あっ!圏外・・・結界内は、圏外だった。結界対応の携帯、どっかで出さないかしら○フト バンクとかOUとか」
「・・・無理な注文だと思います」
結界を解除して、電話する。
「由美ちゃん、状況はどう?」
「こっちはすべての敵を退けたよ。そっちは?」
「こちらもおおむね満足のいく状況。ただ変態ロリコン男爵の姿を確認してない」
「こちらのエージャントの一人が海外逃亡したって確認した」
「・・はなから、使い捨てのつもりだったわけか」
「エロ男爵は、国際指名手配の手続きをしたから、むこうで掴まると思うわ」
「了解。みっしょん終了ね。じゃあ、パーティーで合流ね」
「うん。すぐ行くわ」

しかし、パーティーでの再開には、かなりの時間を要する事になる。
 ホ−ムルーム開始のチャイムが鳴る。
「ありすちゃんが、入院って本当ですの?由美さん。」
「ええ。」
「それで容態はどうですの?」
「一時は、意識不明の重体に」
「なんですって!!」
「落ち着いて宮の森さん。現在は、意識を取り戻して順調に回復してます。」
「でも一時、意識不明の重体なんていったい何があったんですの?」
「それが全く謎で。自室で倒れてるのをお母様が発見したそうです」
「いったいなにがありすちゃんに・・・」
「今日、お見舞いがてらに本人に事情聴取に行こうかと考えてます」
「私も同行していいですか?」
「この話の続きは、あとで」
「何?私が行ったら、まずいの?」
「そうじゃなくてホームルームが始まるからだよ。ほら、席に戻らないと先生が来ちゃうよ。」
由美は、里美の背中を押す。
「なんかー、気になるなー。」
止むを得ず席に戻る里美。
里美が席に戻るとほぼ同時に教室の前のドアが開いて教師が、入ってきた。
担任の坂本優子が、教壇に立つ。
「起立。」
委員長の島津紗枝が、号令の声をかける。
「礼。」
「着席。」
全員が礼着席し教室内のざわめきが収まるのが待って坂本は話を始めた。
「はい、皆さん。今日から皆さんと一緒にお勉強する新しいお友達を紹介します。」
そこへ廊下に控えていた金髪の美少女が教室内に入って来た。
しかも全く同じ顔の美少女が2人だ。
「おっおおおおおおお。」
いっせいに男子生徒から、歓声が上がった。
「いやーん、すごいかわいいいーーーっ。」
女子生徒からも黄色い歓声が上がる。
「あれっ?なんか、見覚えが…どっかで合ったかな。それともただのデジャヴ?」
由美は戸惑っていた。
「自己紹介して。」
「はい。カミラ・ドルベークです。日本はまだ慣れないので戸惑うことも多くて皆さん、色々教えてください。よろしくお願いしまーす。」
「同じく双子の妹のカミーラ・ドルベークです。姉ともどもよろしくお願いしまーす。」
「おっおおおおおお よろしくしまーす。」
男子生徒が答える。
「あれーーーーーーーーーーーー!?」
由美が、大声を出して立ち上がる。
「なんですか!工藤さん。」
「いえ。なんでしょう???」
由美は、自分でもわけのわからないデジャブに戸惑っていた。


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