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魔法少女ありす
【コメディ その他小説】

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トリック オア トリート-4

とある病院の1室。
多くのクラスメイトが訪れ収集がつかなくなっていた。
あるものは、今日やってきた転校生の話題でもリあがるいっぽうで
あるもは、欠席中の授業の内容を懸命に解説している。
そしてありす本人、そっちのけで他の友人同士で最近できた雑貨屋での人気アイテムの話題で盛り上がる者。
病室は、休み時間の学校の教室のような状態化していた。
ありすが入院するはめになった事の顛末を事情聴取に来たはずの由美と里美もすでに諦め、来週の週末に行われる宮の森家で催されるハロウィンパーティーの話題になっていった。
「じゃあ、来週のパーティーには、参加できますのね?」
「うん。今週末には、退院できるの」
「よかった。ありすちゃんが、参加できないようなら延期をと考えててましたの」
「宮の森さんは、ありすちゃんLOVEですものね?」
「由美さんたら、からかわないでください。ご自分だって今日は、この世の終わりみたいな顔をなさって授業を受けていらしたじゃないですか?転校生の挨拶時には、奇声をお上げになって・・・先生も転校生も困惑なさっていたわよ」
[いやあ・・・あれは・・・なんだかわからないデジャヴュに・・・」
「なんですの?」
「あの転校生にどこかであった気がして・・・」
「里美ちゃん。クラスの全員をパ−ティーに招待したって言ったけど、その転校生さんは?」
「もちろん招待しましたわ」
「そう。よかった」
「ん?ありすちゃんの知ってる人なの?あの転校生?」
「ただ単に早く、お友達になれればいいなと思っただけだよ」
「私もそう思ってパーティーにお誘いしました」
「里美ちゃん。さすがだね」
ありすの友人達は、面会時間の終了ともに全員、巡回に来た看護婦に追い出された。

病室の窓から夕方の赤い光が差し込んでいた。
友人達が去った後は、嵐の後のような静寂に一抹の寂しさに覚えていた。
「早く、うちに帰りたいな・・・」
思わず口からもれる。
トントン
病室のドアがノックされる。
「はい。どうぞ」
面会時間はすでに5分ほど過ぎている。
「よお!」
「谷本一尉?どおしてここに?」
「見舞いに来た」
谷本は、手にした花束を差だした。
「わあ。嬉しい。ありがとうございます。でも、ちょっと意外」
「なにが?」
「谷本一尉が、お見舞いに来てくれたこともお見舞いに花をくれたこともです。」
「なんで?知り合いが入院すれば、お見舞いに行くもんだろ?相手が、女性なら、お見舞いは、花でおかしくないだろう」
「だって、いつも邪険にされていたし、谷本一尉なら花なんか食べれないって言いそうだし・・・」
「もちろん、自分がもらうなら花なんかいらない。邪険にしてるのは、お前が14歳の娘らしくないことばかり言うから、照れ隠しだ」
「え?」
「男を誘うようなことばかり言う14歳がいるか!その気になったらどうする?」
「その気になっていいのに」
「馬鹿者!それがいかんって言ってるのに・・・」
谷本は、軽くゲンコツでコンと頭を叩く。
「痛っ」
「大体、未成年に手出だしたら、条例違反だ。ってそんな話をしにきたんじゃない」
「なに?」
「お前、無茶しすぎたんじゃないのか?」
「何のこと?」
「以前言っていたろう。エネルギー保存法則からは逃れられないって」
「そんな事覚えていたんだ」
「お前の事だ。忘れるか!過労で意識不明になるほどのエネルギーを消費する魔法を使ったんだろう」
「ばれた?」
「あのな・・・何もかも自分の力で解決しようとするな。お前には、友人がいっぱいいるだろう。超常現象対策課とかペンギンとか、新しい魔法少女の友人とか・・・」
「あれ??時間の巻き戻しもしてるのになぜ知ってるの?」
「さあ、なぜか知ってる」
「でも頼りすぎるのはどうかと思って」
「違う。頼るんじゃなく、信用してやれってことだ」
「・・うん」
「まあ。魔法関係はよくわからんが俺にも話せ。俺にもできる事があるかもしれん」
「はい。」
「退院したら、またラーメンでも食いに行こう。」
そういうと谷本は、病室のドアに手をかける。
「谷本一尉。やっぱり好き。私と条例違反して」
「・・馬鹿者」
そうつぶやいて病室を出て行った。




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