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魔界探偵
推理リレー小説 - 推理

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魔界探偵 2

「まぁ、そうかっかするな。期待しているからな。」ポンと遥の肩をおした。
「・・・はぁー。わかりましたよ。いまに始まったことじありませんからね。」 「わるかったな。明日から捜査するから今日は帰れ。」時計は午後9時を過ぎていた。「わかりました。明日また来ます。」 「わかった。明日よろしく頼むよ。」 翌日・・・ 「先生〜。いますか〜?」遥がドアを開けると、中には康介がいた。康介は恭次の弟で青澄学園の高等部に通っている。「ああ、遥さん。兄貴なら朝早く出掛けたよ。」「どこに行くとかいってなかった?」
「わからないや。朝起きたらもういなかったから。」 時計は10時を過ぎている。
「・・・そう。わたしは出掛けるから電話来たらよろしくね。」
「わかった。いってらっしゃい。」
遥は外に出ていった。
その頃恭次は警視庁の捜査一課の9係にいた。
本当は2〜3係までしかないが、この9係は『警視庁の墓場』や『警視庁の資料室』と呼ばれている。なぜこう呼ばれているかというと部屋のほとんどが調書や資料で埋もれているからである。ほとんどの調書や資料は15年前〜去年までの物で過去の事件を扱っていて、辞めていく者が多いからである。
「なるほど・・・。過去の調書を見た限りでは、新聞記事と同様、最重要容疑者は被害者の娘らしいな・・・」
「やあやあ丸内、待たせたな。」
そこへ、1人の刑事がやってきた。
「遅いですよ、田中さん。」
「いや、悪い悪い。」
刑事の名は田中孝。丸内の知り合いであるため、丸内が事件の捜査をする際には何かと世話を焼いてくれるのだ。
「それで、本田夫妻殺害事件の懸賞額、調べて下さいましたか?」
「ああ。調べたとも。」
「いくらでした?」
「ゼロ、だ。」

「やはり、か・・・。」
「どういうことだ?」

「通常、迷宮入りした殺人事件の被害者の遺族は事件に懸賞金をかけます。それにもかかわらず、なぜこの事件には懸賞がないのか。考えられるのは1つ。遺族にとって、犯人が逮捕されることは望ましくないということです。太田夫妻の遺族は娘だけですから、娘の犯行である可能性は非常に高いと思われます。」
「なるほど・・・。」
「これから、僕は娘が犯人である証拠を探します。見つかったら連絡しますから、逮捕をお願いします。」

「あ、ああ・・・。しかし、お前は探偵だろ?解決しても何も出ない事件に手を出しても・・・って、もういなくなっているし・・・。」
(よし、捜査方針は決まった!あとは証拠さえあれば・・・!)
丸内はそう思いながら、本部を後にした。

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