PiPi's World 投稿小説

家族の絆
その他リレー小説 - コメディ

の最初へ
 0
 2
の最後へ

家族の絆 2

エとかロとか付くゲームは卒業してないけどな。
「えー…分かった…」
トボトボと部屋に戻る暖。これが大人の厳しさよ。
「ただいまー」
そうこうしているうちに母、三上美代(ミカミミヨ)が帰ってきた。
「あれ?美佳…今日早いじゃない?」
「早く終わったのー…」
嘘だ。
「ふーん…明日からは休日だけど…今日仁君は来るの?」
仁というのは姉さんの彼氏で本名は斉藤仁(サイトウジン)。我が家のペットである陣(犬)とよく間違えられる。
…可哀相な話だ。
「今日は来ないってー…」
「そう…じゃあ静香ちゃんは?」
矛先は俺に向けられた。
「じゃあって何だ、じゃあって…来ねーよ」
「そう…面白くないわねー」
何がだ。

夕飯後、部屋に戻ろうとした時に姉さんに呼び止められた。
「10分後、晃の部屋に行くから」
「…なんで?」
「パソコンやらせなさい」
「いいけど…なんで?」
「エロゲーやるから」
「…………………」
10分後、俺の部屋に来た姉さんはパソコンを立ち上げ、ゲームをし始めた。
「…んっ…ああっ…」
「ああ!!…いや…いやぁぁ!!」
や、止めて欲しいな…。
この状況の部屋に暖でも来たらオーバーヒートして廃人になるんじゃないだろうか?
「ねー…晃〜…これつまらない。オススメは何?」
「知るかっ!!」
「なによ…静香ちゃんにバラすわよ?」
「俺も仁さんにバラすよ?」
バチバチと睨み合う二人。そんな二人をよそに無邪気な声が聞こえて来る。
「兄ちゃん、入るよー!?」
「!!??」
焦る二人。姉さんは当然のように右上の閉じるボタンをクリックした。
「あれ?姉ちゃんもいたんだ」
「ちょっと…パソコンを…ね?」
パソコンに目をやる暖。
そこには…終了しきれてないゲーム画面が…!!
「あ……」
ブツリ…
コンセントを抜く姉。
「終了♪」
……パソコンもね。
「…何?」
「宿題教えてもらおうかと…」
「…後デネ」
「わ、分かった…」
退室する暖。
「セーフ…よね…」
「アウト…暖もパソコンも」
野球用語で言えばゲッツー。一回で2アウト取る荒技である。
「続きやろっ…」
「俺…頭痛いなー…」
「あれ?画面が映らないよ?」
「半分はやさしさのアレちょうだい…」
「使えないパソコンね…」
やさしさのかけらもなかった。
「暖のアフターケア…晃がやっておきなさいよ?」
「なんで俺が?」
「あんたは男…私は女…ね♪」
「意味不明だし」
「女なんだからそんなこと言えないでしょう?」
「さっきまでエロゲーやってたじゃん」
「幻覚じゃないかしら…?」
バンッ…!!
姉さんは出ていった。

次の日、土曜日なので休日なのだが早く目覚めてしまったため、早朝ランニングに出掛けることにした。
「あっつ…朝6時でこの気温かよ…」
外に出て惜しみ無く日光を浴びる。今日はいい天気になりそ…
「オハヨーゴザマース!!」

SNSでこの小説を紹介

コメディの他のリレー小説

こちらから小説を探す