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俺の守り神・ぷらす
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俺の守り神・ぷらす 6

「え、選ばれるんです…」
「え…?」
真木が重い口を開いた。
「じゅ、十年に一人選ばれるんです…神の頂点に立つ神…神名様に」
「か…みな…?」
「そ…私の父上」
水名がそっけなく答えた。
「え…あ…ミナ…の?」
全員がコクコク頷く。俺は動揺して上手く言葉ができない。
「は、はい…それで私は選ばれたんです。二年前…私は交つ…」
「ね!!いーからご飯にしよっ♪十二時だし♪」
真木の言葉を無視して水名が言った。気がつくとお昼だった。
「いや…でもマキが…」
皆は俺が言うのを待たずに席を立った。真木は最初は座ったまま俯いていたが、水名に手を引かれて…俯いたまま部屋へ行った。話の途中から、真木は一回も顔を上げなかった。

「ありゃ…食材が全然無い」
母さんが出掛けている今、料理を作る係は俺になった。しかし冷蔵庫はほとんど空に等しい。俺が買い物に行ってもいいんだが…ここは彼女らに任せよう。
「皆ー?買い物行ってきてくれないかー?」
「………………はい」
いや、君が一番不安。なんてったって炊飯器を爆発させた女の子だ。商店街壊滅も十分ありえる。
「いや、五人で」
水名がえ〜、と言っていたが無視をする。
「今日は焼きそばだから、具を買って来てくれ。麺はあるから。まぁ…ピーマン、人参、豚肉、キャベツ、青海苔だ」
五人が分かったと頷く。
「あと…余ったお金で好きな物買って来ていいから。じゃあいってらっしゃい」
玄関で五人を見送る俺。そして彼女らが帰ってくるまで久しぶりの一人を満喫しよう。
「…まぁ、マキもミライもいるから…」
しかも火芽は以前に買い出しの経験がある。大丈夫であろう。水名とアースのツートップが何かしない限り…。
「…しまった。やっぱ俺が行けばよかった」
時既に遅し。何もないことを願おう。

ウイーン。
今、五人の神がスーパーマーケットに入った。
「えーと、何だっけ?」
「え、えと…ピーマン、人参、豚肉、キャベツ…えーと…」
「……………スティックのり」
「青海苔ですわ」
「では野菜コーナーに行きましょ〜♪」
ゾロゾロと野菜コーナーに向かう。しかし、水名とアースが途中で逃亡。
「ぴ、ピーマンと人参とキャベツはとりました…」
「豚肉…ですわね」
火芽は豚肉バラをカゴに入れる。
「青海苔とってきました〜♪」
間もなく青海苔を手にした美雷とも合流。これにて買い物は終了…と思いきや、ツートップはそうさせない。
「マキちゃん♪これ買って♪」
水名が持ってきたのは…
「こ、これお酒じゃないですか…!!」
赤ワインである。
「……………………大丈夫」
火芽と美雷は関わらないように一歩引いて見ている。それがどちらでもいいという意思表示であることは五人の中のルールである。
「買って…♪ね〜♪」
「………………バレない」
「あ、あぅ…」

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