PiPi's World 投稿小説

俺の守り神・ぷらす
その他リレー小説 - コメディ

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

俺の守り神・ぷらす 1

「ただいまー」
10月1日。今年は残暑厳しく、4時でもまだ太陽は照り付ける。秋が無くなってしまったんではないかと思うほど夏が終わる気がしない。
ふと玄関で立ち止まる。1、2、3、4、5足の靴。客でも来てるらしい。挨拶ぐらいはと居間に立ち寄…
「おかえりー、優♪」
「おかえりなさいです〜♪」
「おかえりなさいですわ」
「お、おかえりなさい…」
「…………………おかえり」
…らなければよかった。
5人の神。山崎家で仲良く作戦会議中。スイカ食べながら。
罠にかかった兎のような俺。もちろん…逃避不可能。
「……なんでいんの?」
「神無月だから♪」
「神無月です〜♪」
「神無月ですわ」
「か、かか神無月なので…」
「………………神無月」
ほぼ5、1サラウンドで返ってくる答え。
やめて欲しいなぁ…。
「……敵じゃないの?答えるのはミナだけでいい」
「敵は前の話よ♪」
なるほど…。
「ちなみに皆、優の家に一か月泊まるから♪」
「うん…ダメ。てか母さんが許さない」
「真梨子なら承諾したわ♪」
台所でスイカの皮をみじん切りにしてる母さん。
「うふふふ…トントントン」
何に使うんだろう…皮。
というより何の暗示をかけられたんだろう…。
「拒否権は?」
「イコール死♪」
「死因は?」
「様々♪」
はいはい…もうどうにもなんないわけね…。

部屋はミナが一人部屋で後は二人部屋になった。俺と母さんの部屋は奇跡的に残り、物を運んだ後に夕食、そしてめでたく自己紹介タイムになった。
「水名♪水神です♪」「はい」
「美雷、雷神です〜♪」「はい」
「火芽、火神ですわ」「はい」
「ま、真木、木神…です…」「はい」
「………アース、土神」「はい?」
「アースはハーフですわ」
すかさず説明する火芽。
「日本語がまだ上手じゃないんです〜♪」
美雷も負けじと参加。日本語が上手じゃないのに日本の神になったの?てか俺、キミタチ(火芽、美雷)嫌い
「なるほど…じゃあ俺は…」
「優の母の真梨子です♪」
コトリとスイカの皮のみじん切りを盛り付けた皿を置く。
誰が食べるんだろう…。
「…俺は優だ。よろしく…」
「じゃあ…今日はもうお開きにしましょう♪」
とミナが言い、おのおのが別れの挨拶をして部屋に向かう。
そして…俺はミナに呼ばれた。
「…優、怒ってる?」
「…あんまり」
実際…少し楽しみな感じがする。きっと手に負えないことばかり。でも…楽しそうなのは、確か。
「そっか、そっか♪ありがと、優♪」
「いーよ、ミナで慣れてるから」
「あ…じゃあ私のおかげね♪」
ミナは嬉しそうに自室に向かった。

「優、お醤油♪」
「ん」
醤油を渡す。
「優君、ソースを〜♪」
「ん」
ソースを渡す。
「優さん、お塩を」
「ん」
塩を渡す。
「ま、優先輩、ケチャップを」
「先輩?」
ケチャップを渡す。
「…………優、バニラエッセンス」
「ない」
…食えねぇ…。

SNSでこの小説を紹介

コメディの他のリレー小説

こちらから小説を探す