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俺の守り神
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俺の守り神 3

急に甘えたような声を出してすがりついてきた。元がいいだけに、その仕草もかなり可愛い。
だけど、そんなものでこの俺が甘い顔をすると思うなよ! ひとつビシッと言ってやる!
「そそ、そんなの、し知るかよっ。うぁっ、ど、どっか行ってくれると、うれしいな、なんて……あの……えっと……」
「んん〜? くくっ、照れてる照れてる。ウブじゃのうお主」
ダメじゃん俺。ええ彼女なしで免疫なんてありませんともさ! 笑いたいなら笑え!
……あ、やっぱり笑わないで。落ち込むから。
「優?終わった〜?」
さて…最悪な状況が近付いている。スタスタと母がこちらに向かってくる音。
なんでこんなに冷静なのかと言うと…頭が真っ白である。「まさ…あら、どちら様?」
「ああ…えーと…知らな…げふぅ!?」
やめてくれ…後ろから母に見えないように正拳突きをするのはやめてくれ。
「友達です♪水名って言います♪」
「あらー♪可愛いお友達ね、優♪」
くっ…勝ち目ねぇ…
「それで、優?運んで置いた?」
ギクリ…。
「あ♪やりましたよ〜♪」
…何?
「あら、ありがとう♪それじゃあ…どうぞお二人で♪」
気を使ったのか母は去って行く。
「いいのかよ…あれ…」
「いいの♪いいお母上をお持ちね♪」
ニコニコと機嫌がよいようだ。
「水の神だかなんだか知らんが…さっきのはなんだ?」
「水の神だから。水を自由自在に使えるのよ。」
ミナは手のひらで水を出したり、その水で500年のブランクを埋めるように何かしてる。
「ね〜御主人様〜♪どこか遊びに行こ〜♪」
「一人で行けよ」
「だから〜あまり貴方の側から離れられないんだって〜♪」
「さっきもそんなこと言ってたな…だいたいどれくらいなんだ?」
「んー…一町くらいかしら?」
町…一個分…なのか?
「ちょっと待て…お前家はどうするんだ?」
「貴方の家にしばらく厄介になるわ♪」
うん…きっと幻聴だろう…。
「大丈夫♪家族の方には暗示をかけておくから♪」
「ふ…ふ…ふ…」
「あ♪やっぱりねー♪こんな美人が家に来たら嬉しいよねー?」
「ふざけんなーー!!!!」
ミナはビクッとして驚いてる。
「そ、そんなことできるわけ無いだろ!!」
「うーん…拒否権は無いのよねー…私を住ませるか、貴方が死ぬか…?」
ミナはまた手で水球を作っている。
うわー…どっちの選択肢も『死』だー…。
とゆうことで…
運転手席にはミナに暗示をかけられた母。助手席には暗示によって俺の親戚になったミナ。そして後部座席には俺。
ミナの暗示は凄かった。一瞬で母やばあちゃんに自分は親戚だ、というイメージを固定させた。本人曰く…
「神だからなんでもありなのよ♪」
らしい。これからは神社なんて行くもんか。
「はい…着いたよ、ミナちゃん♪我が家にようこそ♪優は早く荷物運んで。」
「ううっ…いつからこうなったんだよ…」
コケたから。
「へー♪現代の家はこうなってるんだー♪」
キョロキョロと家を見渡すミナ。

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