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俺の守り神
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俺の守り神 2

「それで…何か危機が迫ってるの?」
彼女は真剣な顔で聞いてきた。
 「いえ…全然…」
呆然としてる俺をよそに彼女はさっきの巻き物を拾った。 「じゃあ、何でコレを読んだの?」
 「な、なんとなく…」
 「はぁぁぁぁ!!!!」
うん。ごめんなさい。怒ってるよね?
 「じゃあなんのために私を呼んだのよ!?」
 「なんとなく…」
 「貴方は黙ってて!!」
あ…泣きたくなってきた。
 「むー…なにも無いのに呼ばれたら困るのよねぇ」
 「すいません…」
ま…いいわ、と彼女は巻き物をクルクル巻き懐にしまった。
「貴方…名前は?」
 「…山崎優…18歳」
 「ふぅん…18歳…元服して3年か」
彼女は俺を見て一人納得してる。…元服?
 「君の名前は…?」
 「うるさい」
さっきは動揺してて全てにパチクリしてたが実際は器用な人間じゃない。
 「俺が教えておいてそれはないんじゃない?」
彼女はしばらく俺を凝視した後にムフフ、と笑い
 「ふん…神になめた口をきくのね…いいわ。私の名前は水名(ミナ)。水の神よ…!!」
彼女はあまり大きくない胸をエッヘン、と張っている。
ちなみに胸のことに関してはタブーらしく、この後にそのことを話したら思いっきり吹っ飛ばされた。
 「ぷ…わはははは!!!!」
 「な…なによ…?」
笑われずにはいられない。
 「水の神だってー!!ミナちゃん?ぷぷぷ…頭おかしいんじゃない!!」
客観的には今の俺のほうがおかしくみえるのは置いといて。
…ブチッ
あ…なんかキレた。
 「死にたいのかな?坊や…」
彼女の左手がこちらに向いた瞬間、水球が出て来た。
もちろんスポーツの水球ではなく、水の球。大きさはバスケットボールを一回り大きくした感じ。
その水球が一人でに動き、俺の頭に向かう。
 「ぶばぁう!?」
赤ちゃん語ではない。先ほどの水球がヘルメットのように俺の頭を覆った。
もちろん、息はできない。
「ばぁんぶぁ、ぶぉれ!!(何だコレ)」
死ぬな…見知らぬ少女によって。さよなら、母さん。今度はもっとモテる子供を産んでね?
と…最後の言葉を心で唱えていた時、水球は彼女の手の元に戻った。
「分かった?私は水を自由に使いこなせるの」
「げほっ…ごほっ…」
それどころじゃないっす…
溺死しかけた。元旦から。しかも屋内で。我ながら素晴らしい人生である。
「げほっ…な、なんなんだよお前…」
「何って…さっき言ったはずだけど?」
彼女は長い黒髪を手でクルクルしながらサラリと答えた。
「んなこと信じられるかっ!!」
「信じようが信じまいがそうゆうことなんで…よろしくね、御主人様!!」
ニヤリ…
妖笑するミナ。
「早く帰れ」
「あー…久しぶりの外だから封印は嫌よ?ちなみにこの巻き物なきゃ封印はできないから」
フリフリと巻き物を揺らす。
「まぁいい…どこにでも行ってくれ」
ミナは俺に近付いて。
「ねー、御主人様〜♪私、御主人様の近くにしかいられないのぉ〜♪」
ふぅん…

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