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俺の守り神
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俺の守り神 15

つまり以前までの水名の攻撃は一切届かないはずだった…。
しかし水名の攻撃は届いた…。
彼女の攻撃は世界一般法則に反し、マイナス300℃までに達していた。
それは…神にしかできない域の攻撃だった。

体が勝手に動いた。
今まで触れることもできない攻撃が…届いた。
自分でも何が起きたのか分からない。
でも火芽が倒れているのを見て…
優を守れたことが分かって…
暖かい涙が頬を濡らした。
「…ネルヒムカ」
「え…?」
「これ以上は無理だ。水神…神は君だ」
火芽は巻き物の中に消え、火芽の御主人様は立ち去った。
「私が…神…」
でもそんなことはどうでもいい。
一緒に喜んでいるはずの相手が…今にも死にそうだ。
「…死なせないんだからっ!!」

父さん…俺…そろそろそっち逝くわ…。結構面白かったし…いいかな?未練があるとしたら母さんの顔と…ミナの顔をもっと見たかったな…。



飛び込んできたのは病室。
どうやら俺は悪運が強いらしい。
「優っ…!?」
傍らにいたのは母さん。
「おはよ…」
「…っ…本当に…よかった…」
母さんはぐしゃぐしゃに泣いてる。ああ…また心配かけちゃったのか。
「ごめん…」
「大丈夫…生きてればっ!!」
うぅ…こりゃ相当心配かけたな。ところで…
「母さん…ミナは…?」
「み…な…?何それ…?」
母さんは知らなかった。それから完治するまで約2ヶ月…クラスメートもミナのことは知らなくて、結局ミナは俺の前に現れなかった。
「あいつ…神になれたのかな…?」
でも…俺になんも無しなのか?庇ってやったのに。
イライラ…。
やめやめ…明日は卒業式だ。早めに寝とこう。
そして俺は隣室にミナが寝てないかを確認して…床に就いた。
卒業式。
校長の長い話も終わり、クラスメートとも別れ、家に帰った。
ベッドに横になって、見慣れた天井を見る。
…やっぱりミナはいない。どれだけ探してもいなかった。彼女が封印されて、火芽が神になったイメージが湧く。
「…違う。だって俺は生きてる」
火芽が神になったのならば俺はあそこに捨てられたように死んでいたはず。誰かが…助けてくれた…。
「…ミナ…なのか?」
俺の問い掛けに答えるように部屋のドアがガチャリと開いた。
ドアに目をやる。
そこには何者かがいた。
ダッと逃げる足音。
母さんなら逃げない。しかもドアの隙間から…黒く長い綺麗な髪が見えた。
「ミナっ!!」
俺は玄関を出て彼女を追った。
そして10分間追いかけっこ。はたから見ればストーカーかも。でもそんなの関係無い。ただ追いつくように走った。
そして…
「待てって!!」
俺はついに彼女の腕を掴んだ。
「……追いつかれちゃった♪」
ミナはニコリと笑顔を向けた。
俺はおもわず涙が出そうになって堪えた。
「…いろいろと聞きたいことがある…」
「うん…答えるよ」

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