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密室にて
その他リレー小説 - サイコ

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密室にて 4

うそだろ!?なんなんだあいつは!?
痛むお腹にも構うことなく、俺はベッドから跳ね起きた。
だが扉にむかうとちゅうで、急激に身体の力が抜け落ちて、その場に倒れ込んでしまった。
「ダメですよ…。安静にしてなきゃ…」
女が迫ってくる。
「や…やめろ…」

次に目を覚ましたときに最初に見たものは、強烈な白い光。
な、なんだ?
俺は眩しさに目を細めながら、記憶を呼び戻した。そして、はっと女の記憶を思い出す。
だがそれはひどく現実感を伴わない。
あ…夢か…。
俺はそう結論づけた。
ヘンな夢だったな…。
そんなことを思いながら、俺は身体を起こそうとして……
違和感に気付いた。
…起き上がれ、ない…?
見ると、手足が台の四隅に固定されている。まるで解剖されるカエルのようだ。


「――っ何だよこれ!」「手術を始めます。」あの女性がいた。手術を行う医者の格好で。「手術!?なに考えてんだお前!」そんなこと看護師が出来るわけない。「出来ますよ。簡単ですから。」そう呟く女性の表情は気持ち悪い位の笑顔。その手には


――――ギュィィィン

巨大なチェーンソー。「言ったでしょう?―次は逃がさない。」「やっやめろ!」俺は力の限り暴れるが、体の拘束はとれない。
全身の血が一気に冷水の温度まで下がった。
胸の傷がズキズキと痛む。それがまるで警告音のように思える。
「や…やめ…やめ…」
声がでない。舌が石のように固まって動かない。涙が溢れて、鼻水を撒き散らしながら俺はガムシャラに首を振った。きっと酷い顔をしているだろう。
女性は俺の入院着のボタンを外し始めた。そこだけを見たものなら、それはなにかエロティックな一シーンに見えたかもしれない。
しかしそんなものとは程遠い証拠に、あらわになった俺の肌にはチェーンソーがあてがわれている。
「あ…。あ…」

その刃は氷のように冷たい。「ふふふっ・・・・大丈夫です。直ぐに痛みなんて感じなくなりますから。」「・・・やめてくれ・・・・頼む・・・」他の事ならなんでもする。こんな終り方は嫌だ。俺の目から意思とは関係無しに涙が溢れ続ける。女性が高々とチェーンソーを掲げる。

―――ギュィィィン!

ついにエンジンが掛けられる。「何度も言ってるでしょう?――――次は逃がさないって」女性の瞳の獰猛さが増す。エンジンの爆音と共に振り降ろされるチェーンソー。

「ぐっ!がぁぁぁぁぁぁ!」

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