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後ろの人
その他リレー小説 - ホラー

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後ろの人 8

女の子も男の子も。
みんな気づいて貰える日を待っている。
そうすれば許されるから。蓋の中からお外へ行けるの。
だけど、それも今日でおしまいなんだ。
蓋は軽かったんだ。
蓋は脆かったの。
だから
簡単に開けられるの。
「・・・うわっ」
ちょうどそのころ、ゴミを漁っている男がいた。その男は自分でも気がつかないアルコール依存症者で、ただ酒が飲みたくて飲みたくて喉がからからだった。彼は日課のゴミ箱漁りをしていたのだが、そこからぬるっとしたものが飛び出してきた。猫だった。・・・猫のように、見えた。
夕日の茜色に照らし出された其れは、ははっ猫にしてはでかいな、何も気にする事はないさ待てよなんだろうか違和感が、知りたくないしりたくないしりたくない気にしないきにしないみるなみるなみるな、


ああ、前後の両足が五本指尻尾もないな……
まぁいい、猫の死骸などどうでもいいどうでもいい。男はそのままゴミを漁り続け、
背中に違和感を覚えた。
まるで気が違った猫に引っ掻かれているような痛みを-

男が振り向くと同時に、それの爪が男の両目をえぐった。
男の喉で獣のような声が爆発した。しかし、それの爪は容赦なく男を襲い続ける。気が狂いそうな痛みの中で男はある違和感を感じていた。
なぜ死骸の猫が動いた?

違う、ほかの、そう


―――猫にしては、爪を向けてくる数と範囲が多い………


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