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後ろの人
その他リレー小説 - ホラー

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後ろの人 1

私の後ろには誰かがいる。間違いない。シャワーを浴びている時、部屋でのんびりしてる時、主に一人でいる時に妙な気配を感じるのだ。
「また…」
私はいつもの気配を感じている。
怖い。気のせいなのだろうか。
私は勇気をふり絞ってふりかえってみる。
「やっぱり気のせいなのかしら…」
そうよね。きっと私の勘違いよね。そう思い私は前を向いて鏡を見ながら洗いかけの髪を洗う。お風呂場には私の髪を洗う音が響く。
「―フッ―」

背中の方から人が呼吸をするような音が聞こえた。目の前の鏡には髪にシャンプーの泡を付けたまま固まっている私の後ろに女の子が写っていた。その子は10年前に死んだ私の妹。何で今更私の所に来たのかしら。
そんな単純な疑問がわいた。不思議と恐ろしいという感情はなかった。しばらく鏡越しに妹とみつめあっていたが、思いだしたように振り向くと、そこには誰もいなかった…
そんな事が頻繁に起こるようになってきた。会社の洗面所やバスルーム、一人になる時に現われる。それも日が経つにつれて、回数が増えていった。今では一人になると、必ずと言っていい程の確率で現われる。しかし直に見た事は一度も無かった。いつも鏡やガラスなどに映ってあらわれるのだ。

しかし、この日は違った。いつものようにシャワーを浴びていると、鏡に妹が映った。ジッと私をみつめる妹…もうすぐ消える頃だ、と思った時、妹が一歩踏み出した。ゆっくり、ゆっくりと私にちかずいてくる。そして私のすぐ後ろにくると、ググッと顔をちかずけてきた。
「…あいつらが…」
「…とりにくるよ…」
えっ!?と振り向くが、妹の姿はどこにも無かった。

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