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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 93

小澤中将は「宝鶴」から発進させた彩雲に触接させつつ攻撃隊の準備を始めた。
一方ハルゼーも日本軍に一泡吹かせようと攻撃隊を準備していた。アメリカ軍の陸上航空機はその多くが当てに出来ない状況であったが、B29はその航続力を活かし内地から日本軍を攻撃できる。そこでこのB29と協力して日本軍を叩こうとしていたのだ。

「敵機来襲!」
「しまった!」
今まさに発艦準備中の小澤艦隊にアメリカ軍の航空隊が襲い掛かってきた。
「続け!」
暴風が次々に米軍機に向かって行った。その多くが戦闘機並みの旋回性能と速度を持つスカイレーダーであった。
「魚雷航跡発見!」
「取舵40度。」
「今度は逆から来ます。」
「面舵一杯!」
各艦は激しく舵を切って魚雷をよける。そのため発艦準備は殆ど進まなくなってしまった。
ドガガガガガガ
暴風は激しく機銃を撃ってスカイレーダーを落とそうとするがなかなか落とせない。命中弾を少しは与えることができるが、致命傷を負う前に振り切られてしまうのだ。
ドン ドン ドン
ドドォン
艦の対空砲は雷撃体勢に入ったスカイレーダーを比較的多数落とした。その総数は21機で、暴風のスコア(2機)を大きく上回った。
「高高度に敵機!」
ヒュウウゥ〜
ドガァ〜ン
高高度からB29によって投下された500キロ爆弾が戦艦「尾張」の後部甲板に命中した。
「四発重爆を狙え。」
暴風は急上昇し、B29に狙いを定めた。
ドガガガガガガガガ
しかしB29もその重武装で反撃した。
ズドドドドドドドド
暴風は6機を失いながらもB29を12機撃墜、4機撃破、3機が被弾不時着という戦果を挙げた。
イギリス海軍の正規空母「インプラカブル」と「ヴィクトリアス」を飛び立ったソードフィッシュ雷撃機29機とバラクーダ33機がフルマー16機に守られて出撃した。
「敵機来襲!」
イギリス機を発見したのは山口多聞少将率いる艦隊の空母「赤城」の上空見張り員である。
「突撃!」
上空護衛の零戦はイギリス機に向かっていった。まずはお手並み拝見である。零戦の防空網が突破されてもその後ろには暴風が控えている。

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