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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 87

これに虚を突かれたのがホワイトハウスに潜り込んでいたナチス海外秘密党員やそのシンパ達、慌てて無線でのやり取りを開始、結果傍受したCIAは陸軍は愚かFBIまで動員して一網打尽したと言う。最もこの事実はマスコミには流れてない、CIAはただ単にクーデター未遂やFBIは兵器導入に関する不正としてマスコミに発表している。この事は戦後半世紀を経て明らかになる。
「その一報をしたのは」
「日本の諜報機関だよ……全容こそは知られてないがハニートラップを得意とする連中でな、噂じゃ先の大戦では相手国の名がある将校らはカモにされたらしい」
「ゲイシャガールス恐るべしですな」
「男と女に国境は無いのだよ、私の曾祖母も“輸出”されて、英国の中堅貴族だった曾祖父が気にいって駆け落ち同然でここに来たのだからな」
「申し訳ありません」
副長が誤ると彼は言う。
「気にするな、終わった事だ」
「艦長、攻撃機を発進させたUボートの予想航路です……この時期の海流、カナダ海軍やハドソン湾の地元漁民の目撃から未確認の新型Uボートと推定、ただ大きさからは相当な人員を乗せている筈です」
「ふむ、炭酸ガス濃度の危険域も考えるとこの辺りかもしれんな」
参謀長の言葉に彼は思案している。
「我が国の潜水艦部隊も頑張って欲しいが……」
何しろ日本海軍を過小評価してディーゼル潜水艦しか用意してなかったのでワルター機関への切り替えが突貫作業で実施されていた程である。

ホワイトハウス爆撃は最悪の結果こそ回避は出来たが海軍としてはこのままでは示しが付かない、海軍はノーチラス級原子力潜水艦二隻を投入する事になる。第二パナマ運河要塞のカリブ海側地下軍港に係留していたノーチラスとネモは海中トンネルを抜けて全速力で進む。
「大統領が無事か……悪運が強いと言うか」
「艦長、例の情報将校を置いてきて大丈夫なんですか?」
「彼は逮捕されたよ、どうもナチの秘密党員だったらしい……下手すると射殺されるだろうな」
「!」
「まっ、情報将校って言うのは国家の真実を知っているから他の思想に染まり易いし……これがナチの手に渡っていればエライ事になるからな」
副長は背筋が凍る。
「ナチも原子力を手にしていると」
「多分な……今回は通常弾だったがこれが核ならもっと酷い事になっていた」
この意味で今回の爆撃に関与している潜水艦を撃沈しなければならないのだ。
帰港してしまえば“成功例”として北米大陸に核攻撃される恐れがある。
「敵潜は情報部でも未確認の新型、しかもかなりでかい」
「推定される乗務員の数や艦内に溜まる炭酸ガス濃度、更に海流や最短で欧州に着くとしたら、この辺りでしょうね……シュノーケルを出すのは」
副長も自身が無いが気象条件から浮上する事もあり得る、こうなるとブイの存在に気が付いて慌てるだろう。
「吉報です、日本海軍の極光艦隊と大西洋艦隊はUボート海中空母を撃墜。敵爆撃機も不時着、現在回収作業を実施」
通信士の声に乗務員はホッとする。
「そうか、だが発進した潜水艦を見つけて撃沈する事が重要だ」
艦長の言葉に乗務員は頷く。


新型Uボート空母の発見は偶然の産物であった、本国から試作墳進機零桜(ゼロサクラ)艦載機仕様四機は謙信を発艦し飛行していた。そんな時にIMF反応を捉えた、ハーゲンクロイツを主翼にした未確認機を見た隊長は直ぐに知らせて雲を利用して追跡したのである。
幸いにして実戦と同じ装備をしていた四機の零桜はホワイトハウスを爆撃した未確認独逸機を追跡する事が出来た。
「慌てるなよ……あの機体の先には空母があるはずだ」
独逸機は急降下し、隊長は驚いた。Uボートの空母型だ。
「考えたな、だがこっちは実弾を装備している」
爆撃目撃の為なら武装は限られている。敵機の後部銃座が火を噴くも零桜はひょいとよける。あんまり空戦は出来ない筈、残りの一機がUボート潜水艦の至近距離で雷撃して水柱が巻き起こる。そこに報せを受信した米海軍の艦載機らが駆け付け雷撃していく。独逸機も水面に追い込まれて不時着水に追い込まれ、Uボート空母は海中へと飲込まれた。

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