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戦艦空母艦隊
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戦艦空母艦隊 45

同時に橘次官らの密命によりプリンスオフウェールの改修計画も進めていた……詳細な設計図がある訳もないが海軍技師官も造船技師らは英国戦艦の癖を熟知していた。現に日本海軍は近代化を初めた海外からの軍艦を購入、多くが英国からだ。余談になるが明治時代に初めて民間の造船会社が建造されたと言う“初代”大和は葛城型スループ二番艦で日清、日露戦争を生き抜き照和十年に海軍予備艦として活用している。さておき、プリンスオフウェールスの改装が現実味を帯びて来たのは照和十七年の年末であった……当初は工作艦や工員を派遣して印度か泰、香港辺りでの改装実施も考えたがナチス独逸第三帝国に熱く信望するイラク出身のサダム.フセインが中東を制圧、これにより印度も危険になり日英同盟を堅実なモノにする為に呉のドックを使用を提言したのである。

戦艦は銃の砲身同様に一定量の砲弾を撃つと主砲砲身の取り替える必要がある、どうしてもドック作業になる……素人にはわからないが主砲砲身を釣り上げるにはドックにある大型クレーンが効率がよいのだ。つまり戦艦を多く所有するデメリットになる……この点西処女亜(ウェストバージニア)の様なイ号墳進弾を持つ八八艦隊に属する遊撃艦隊主力戦艦群は有利だ。大和の砲身交換が近い呉の海軍工廠も難色を示すも御国の為にとして受け入れた。大和は異例ながらも室蘭海軍基地にあるドックで砲身交換する事になる。


「そうか……敵超兵器研究所爆破成功か」
呉のドックに収まったプリンスオフウェールスを見ていた葵川はその一報を聞いて安堵した。橘次官がこの世で成し遂げたい事が出来たからだ。超兵器とは無論原子爆弾であるが無用な混乱を避ける為に国民にはこんな言葉で誤魔化している。
「日米講和も動きますね」
「いや、亜米利加さんは他にもこの手の研究所がある……無論ナチス独逸第三帝国にもな」
部下も黙りこむ、あのヒトラーが艦隊殲滅に原爆を使う事もあり得るからだ。
葵川は橘次官らが前世の記憶を持っている事は知っていた……だから彼の成し遂げたい事を知っていたし他のメンバーの前世の記憶からナチス独逸第三帝国の原子爆弾開発には砂漠地帯が必要になる……中東の親ナチス政権樹立は石油資源もあるが原子爆弾の爆発試験場の確保をした事になる。不毛の地と思われがちだが砂漠と言えとそこにしかない貴重な固有種を壊す事すらなりかねない……葵川らは準備を進めた。そして富嶽による独逸にある超兵器研究所が精密爆撃に成功と聞いた時には公海試験中の飛鳥に乗っていたのである。



沖縄沖にて英国印度駐留艦隊と共に陣形を組んで一路マラッカ海峡へと向かう。
「豪州海軍からです、Uボートの反応と思われる反応多数」
「やはり三国同盟時代の航路を使ってきたか……豪州海軍に被害はないのだな」
「はい……」
葵川はニヤりとした……英国どの同盟により齎された情報によりナチス独逸第三帝国海軍の詳細な動向を見ればヒトラーが如何に海軍軽視や誤った戦略をしたのか分かる。ここら辺は欧州の海洋地政学による要因があるが開戦時は海路は補給路の一つに過ぎないので別に空母を持つ必要もないとなるが今や欧州は瑞西(スイス)を覗いてはほぼナチス独逸第三帝国化している。今は欧州周辺にその勢力を伸ばしつつある……こうなると陸軍や空軍はある程度は海軍に配慮しなければ戦争は出来ない。とは言え開戦当初から不満ダラダラである独逸海軍にとってこの極光艦隊を壊滅する事はヒトラー総統を喜ばす最良の道、豪州海軍の空母を沈めても魚雷の無駄使いと言うのだ、葵川はそこまで読み切っていたのである。
第二次日英同盟の同日豪州との軍事同盟が結ばれ、日本海軍は惜しみも無く豪州海軍に最新技術を提供……ベースが米海軍艦艇で現場にて多少の改良がされたが豪州海軍は格段に対潜警戒/攻撃が上がっていたのである。
「今上がっている対潜探査攻撃機からの報告はないな」
「推定でありますが……マラッカ海峡で仕掛けるとみてます」
「なるほどね……」
そこに伝令兵が駆け込む。
「影より暗号通信です!」
暗号文を受け取った船長が解読書を見て暗号を解いていく。
「小笠原沖の影に喰いついたそうです」
「さてさて……どうなる事やら」
「参謀長、例の計画も早まるかもしれん」
「そうですな」
参謀長の関 忠助少将は思う。ナチス独逸第三帝国の情報部はまんまと引っ掛かった。


小笠原沖に飛鳥と瓜二つの戦艦、その戦艦を海面下から狙うUボートは一隻だけではなかった。
「か、艦長……ここは敵勢力圏内です」
「うろたえるな……奴らは完全に油断している、隣のU−173も魚雷管注水しているんだ」

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