PiPi's World 投稿小説

殺し屋のあなた
その他リレー小説 - アクション

の最初へ
 40
 42
の最後へ

殺し屋のあなた 42

「タキ、貴方の過去を聞こうとは思わないけど…あたし達の目的はレイザーの確保…それわかってる?」
ルナはタキを睨みつけている。
「ああ、わかってる…ついでだ…」
レイザーと窮鼠、どちらが『ついで』なのかはわからないが…タキもカノンと同じく、私情私怨に駆られて動いている事実に変わりはない。そんなやりとりを聞き流しラストは現状を端的に把握する。
「くっちゃべるのは後にしようぜ?見張り(全滅させた)から連絡が途絶えれば…」
…エンジン音…四駆が五台…別の場所で待機していた連中だろう。
…おい!見張りが!…
…ライトを消せ!…
「思ったより早かったな?」
派手な銃撃戦に備え、グロックの弾倉を33連発の物と換える。
「外と中からの挟み打ちは、洒落にならねえな…?」
ラストの一言に全員一致。最悪の場合を考え、見張りの持っていた銃と弾倉も集めておく。
「仕方ねぇ、レイザーと合流して、なるべく速やかに離脱…が無難だな…」
タキの言葉の裏には、窮鼠の優先順位を下げる意味を含むと共に、普段通りの冷静さを取り戻している事を表していた。
「ゴメンなさい…皆を私の我が儘で…」
カノンが唇を噛み締める。皆を危険に晒すだけではない。偶然とはいえ、こうしてタキの古い因縁を掘り返し、悩ませる結果となっているのだ。

「気に病んでる暇があったら…囚われの王子様の為に、素敵な台詞でも考えてやるんだな?」
当初、全く乗り気でなかったラストもこの調子だ。分捕り品のウージー短機関銃を点検しながらカノンを励ます。
「調子いいんだから…クス」
吹き出すルナ。
一行はウージーを肩の高さに構え、接近戦に長けたルナとラストを前衛に倉庫内へ、360゚警戒で侵入する…。
「思ったより早かったねえ?知らない人が混じってるけど…?」
…てっきりレイザーが拘束されている物と思っていた一同は只、唖然とするしかなかった…。
ルナは無言のまま、レイザーに向け刀を構えた。あきらかに殺気が込められている。
「ルナ!?」
ラストはルナの行動に驚きを隠せていない。
「レイザー、無事でなにより。で、カノンに対して何か言うことあるでしょ?あんたが掠われてカノンがどれだけ心配したと思ってんの?あんたの頭ならそのぐらい考えつくでしょ!」
ルナはレイザーを睨みつけ、キツク言う。
「…わかってる…カノン、おいで。」
レイザーは両手を出した。それを待っていたかの様にカノンはレイザーの胸に飛び込んだ。
「よしっ!」
ルナは満足そうに笑った。

SNSでこの小説を紹介

アクションの他のリレー小説

こちらから小説を探す