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殺し屋のあなた
その他リレー小説 - アクション

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殺し屋のあなた 43

「ひひひ、お熱いねぇ。羨ましい限りだ」
ゴツっ、ゴツっ、と安全靴の音が聞こえる。ラスト達から見えない所にいたらしい。
坊主頭に三本のラインが入っている。上着のジャージにも三本のラインが入っており、ジーパンのホルスターには
「トカレフ…奴が…」
呟いたタキは、『窮鼠』ことスライ・グロウリーを睨みつけた。
「あー、とりあえず自己紹介をしようか。俺様は『窮鼠』。んで、このプリティーボーイが」
「『知恵の輪』でっす!よろしくっ!」

窮鼠…風体こそ見たままチンピラだが、ギャングと言うよりも陽気な兄ちゃんを思わせた…。しかし、タキの姿を確認するなり、手負いの野獣に変貌した。トカレフを抜き放ち、初弾を装填する。しかしそれはタキとて同じ事だ、44マグナムの銃口でそれに応じた…。
「ストーップ!まあまあ落ち着いて…ほら二人共スマイルスマイル…ね?」
一触即発、因縁浅からぬ二人の間に割って入る知恵の輪。
…まずったなぁ〜このオッサン仕留め損ねたのは…
知恵の輪こそが、先日タキを狙った刺客の送り主その人だった。
「因果の対決…止める者おらず…」
ルナが独り言の様に呟くと知恵の輪を直視した。
「なにか?」
ルナの視線に気付いた知恵の輪は軽く笑っている。
「弱い者は隅でいなさい。死にたくなければね…」
ルナの顔には“邪魔をすれば殺す”と言わんばかりに殺気が込められていた。
怖い怖い、と肩をすくめる知恵の輪…仕方ないねえ生き残った方に働いてもらうか…と画策する。
開戦の狼煙のごとく、挨拶代わりに交錯する銃声…二人を繋ぐもの、それは天竜会。かつてタキとその相方は、天竜会を離反したグロウリーとその仲間達の始末を依頼を請けた。潜伏、逃亡を続ける一味を一人、また一人と静かな仕事…タキのサプレッサー(消音器)付22口径と相方のスティレット(細長い短剣)…が追い詰めていった…いや、『追い詰めてしまった』と言うべきだろうか?最後の一人『窮鼠』グロウリーを。

「うぉい!おっさん!」今現在倉庫の中には、近くで工事でもしているのか、コンクリブロックやセメントの袋、カラーコーンや、泥のついた重機なとが適当に置かれていた。
そこら辺に置いてあったドラム缶の後ろに隠れてスライは叫ぶ。
「何で俺様、狙ってんのー!?何かしたっけかな、俺様!?出来れば、辞めねぇ?こーゆーの!?今さーぢつはけっこーヤベー状況なのよ!?ホントにさ!」
「………」
「うおぉい!どした?何か言ってくんない?」

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