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swords/dance
その他リレー小説 - アクション

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swords/dance 4

「ここに伊耶那岐」
空間に波紋が生まれる。
「御佩せる十拳剣を抜きて」
波紋の中には注連縄に奉られた巨大な岩石があり、そこに亀裂が生まれる。亀裂は徐々に膨れ上がり皹となり、その奥には漆黒が覗く。
「その子迦具土の頚を斬りたまひき!!」
義姉【侵倶】の周りに渦巻く劫火が赤から蒼へ、更に白から黒へと次々様に変色していき、その姿が徐々に普通の焔から形を変えていく。
その姿が完璧に見える前に衝撃が来た。否、衝撃という言葉すら生温い圧倒的で膨大で強烈無比、肉片どころか魂の一欠けらも残らずに消滅してしまいそうな、圧倒的な、余波が!
「開門!黄泉之平坂!!」
術の完成と共に大岩の亀裂から凄まじい勢いの吸引力が発生し、放たれた余波を強引に吸い取っていく。それでも好摩の皮膚は焼け爛れ、眼球が水分が失われて激痛が走るのを自覚した。
その中で、俺は見る。
赤を超えた赤、灼熱を超えた灼熱の具象。
神の片割れに存在するという世界を屠る灼熱の剣の顕現を。
「顕現(あらわれ)よ」
黄泉の大門が炎の大部分を飲み込んでいるというのに灼熱のそれは大きな翼をはたばかせる。
「■■■■」
次の瞬間、視界の全てが消滅し、この世界が【歪んだ】




「か、はっ」
意識が白熱の世界から戻ると同時に全身の激痛に思わず苦痛の声が漏れた。
「っ・・・土曜系最高呪文を使ってこれかよ・・・」
全身に火傷の水膨れが広がり、更には所々は炭化し神経や肉が壊死している場所もある。
今、倒れているのは土の地面。炎の余波などない先ほどとは全く違う場所。緊急回避の為に作っておいた回廊を使って逃げ切れた。
「いや、逃がしてくれたか・・・・糞っ」
周りの木々から生気を吸い取り、自分の傷や精力としながらも唇は力不足に不甲斐ないと噛み締める。
「神憑きってのは化物だな・・・だからって、このまま同じようになっちゃあ、癪だ」

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