BRAIN KING 3
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「じゃあ、私から。」
最初におばさんが自己紹介を始めた。
「私の名前は安藤純子。年齢は…45。…年相応って、顔してるでしょ?」
と子どものようにニヤリと笑った。
軽くパーマのかかった黒髪が肩の少し上ぐらいまで伸びている。 小柄で少しぽっちゃりした輪郭と体型がいかにも「おばさん」といった感じだ。
ただ、笑ったときの、目尻のシワがかわいらしい。
「今は旦那と2人暮らし。息子が1人いるけど、今はもう家を出て、1人暮らしをしてるわ。学校の先生をしてるのよ。新米だけどね♪」
息子の話をするときの、純子さん(こう呼ぶことに決めた)は、とても楽しそうだ。
「これからなにが起こるかわからないけど、仲良くしようね♪
私の自己紹介はこんなものかしら。」
純子さんは少し首をかしげ、また笑顔で、
「じゃあ、次はあなた♪」
と言って、向かいにまだ立ったままだった僕に、視線を向けた。
急なフリだったから、ちょっと緊張したけど
声も裏がえることなく、ちゃんと出せた。