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BRAIN KING
その他リレー小説 - アクション

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BRAIN KING 2






部屋には5つの机が置かれている。
前から2列に並んでいて
前の列には3つ
後ろの列には2つの机がある。

その中の前例中央の机だけが
空いていた。


ふいに

一番左前の席に座っていた、40〜50代と見られるおばさんが口を開いた。


「あなた…北村巧さん…?」


そのおばさんは僕の名前を呼んだ。

見覚えの無い顔だけど、どこかで会ったことがあるのだろうか…?


いや…その前にここはどこなんだ?



たくさんの疑問が僕の頭の中をぐるぐると巡り


結局、疑問は言葉にならなかった。



「あの……えっと…」










いま僕に向かって言葉を発したのは
おばさんだが


前例右には
おれと同じ年頃、高校生ぐらいの女の子が座っている。



後ろの2列には

左側に小学校6年か中1か、そのぐらいの年齢の少年と

右側にはさらに幼い、小学校低学年ほどの少年が座っていた。




先ほどの

おれの言葉にならなかった発言に対して

おばさんはおれの心を見透かしたかのように、こう答えた


「ここがどこかは私たちの中の、誰にもわからないの…。」






さらに続けて言う


「ここにいる私たち全員、気づいたら、ここにいて…というか、来るつもりはなかったのに…足が勝手に動いてというか…。ぁ、あなたの名前は、この机についてる名札に書いてあったの…。」


そう言っておばさんは前例真ん中、つまり唯一誰も座っていない机を指差した。

なるほど、確かに僕の名前の書かれた紙切れが、机の上に貼られている。



「僕は…学校の帰り、いつもと同じように電車に乗っていたら、ここに着いちゃって…。」


とりあえず、僕もここに着いたのは自分の意志ではないことを伝えた。








おばさんが言う。

「最初にこの部屋に来たのはわたしなんだけど、もう30分ぐらい経ってて……ぁ、この部屋、一度入ったら、出られないから…。」



…え!?




僕は扉のほうを振り返ったが、そこにはもう扉は無く
白い壁があるだけだった。



「えっ…なんでっ……」



「だから、誰にもわからないの…。」



全員が、扉の会った壁をにらむ。



部屋の空気が重苦しい。



自分たちがどこにいるかもわからない。

気がつけばここにいた。


そして

いつまでここにいなければならないのかも



誰にもわからない。







その重苦しい空気を払うように

「……そうだ、自己紹介、しない?」


と、おばさんが提案した。



その場の全員が、お互いに顔を見合わせる。




悪くないと思う。



再び何にもない(机といす以外)空間に迷いこみ

することもなにもない。



自己紹介も、いいかもな。



そう思っていると



右前の席の女の子が


「…それも、いいかもしれませんね。やりましょう♪」


笑顔で言った。



正直、かわいい…。


そして、みんながそれにうなずいた。


こうして、自己紹介をしていくことになった。

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