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lost/bombs
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lost/bombs 2

光の下に現れたのは執行の毛皮を獣人の基本体の一つである『人狼』
しかし、ただの人狼じゃない。口端からは涎が滴り落ち、瞳は血に淀み、まるで違う生き物がいるように毛皮の下の筋肉が蠕動している。
「まるで狂犬病だな」
ナイフの代えは無い。しょうがないな、と溜息混じりに呟く右腕を強化。ギチッと軋む右腕は鋼鉄の打撃武器にも匹敵する獲物へと変わる。
「今日は一人で良いと思ってたんだが、まぁ、ついでだ。殺してやるよ」
雄太は軽く一歩踏み込み、そのまま滑るように人狼へと間合を狭める。
「グルルロオオオッ!」
そんな雄太に人狼は涎交じりの咆哮を上げながら右腕を薙ぎ払う。短刀にも匹敵する鋭利な爪の一撃を、雄太は掻い潜り、更に左腕の横薙ぎも急停止して交わし、懐へともぐりこむ。
絶好とはいえない、近距離。けれど雄太には関係ない。
拳を相手の胴体に向け、右腕のニの腕の筋力を自動強化。その瞬間、まるで砲弾のように右腕が弾け、拳を叩き込む。
ボキボキボキッと肋骨をへし折れる手応えと共に人狼の巨躯が宙に浮かぶ。僅かに上気味の打撃だった為だ。そこで更に自動強化によって連発可能の拳が襲い掛かる。
それは殺人というよりも破壊。大型ハンマーで人体で潰すような荒行だった。
雄太の左腕が人狼の喉を掴み、地面に叩きつける。
「このまま全部グチャグチャにしてもいいんだが・・・、
ま、面倒くさい」
右腕を最大限まで強化。人狼の首を掴み、そのままゴキリッとへし折れる。
ぐったりと舌を逃して痙攣する人狼の首を更に両手で握りなおし、全身を強化し筋力を最大まで増幅。
着ている漆黒の外套がミシミシと膨れ上がる筋肉に押し上げるのを感じながら、そのまま首を引き千切る。

ブチィンッ!

音を立てて千切れ跳ぶ頭部。あふれ出す鮮血やら肉辺やら声帯やらの噴水を交わして、手に握った頭を投げ捨てる。
体中の筋肉は大量の強化によって熱を持ち、汗は水蒸気となって吹きあがるのを感じる。
「ま、久しぶりに獣人体を殺すのもいいな」
楽しげに笑っていると、向こう側で人の物音が響くのが聞こえた。
「チッ、さすがに今夜は遊びすぎたか」
雄太は舌打ちしつつ、辺りに捨てたナイフの柄を拾いなおし、辺りに自分の指紋が残るものがないかを散策、その後、一気に公園を後ずさる。

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