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天使に牙を、悪魔には涙の唄を、
その他リレー小説 - アクション

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天使に牙を、悪魔には涙の唄を、 7

やわら左手を上げると、まっすぐ直斗の方へ突き出す。
破裂音が立て続けに鳴り、直斗の衣服が切り裂かれる。
分が悪いと悟った直斗は自分の周囲に球状の歪みを作り出す。それはすべての物質を遮断するため、中の様子はわからない。
それに対して蛭児はゆっくりと瞼を閉じる。
「天使は美しい、哀れなほどに・・・・・・時間稼ぎなどは無用だよ?」
蛭児はそう呟くと、カッと目を見開く。
黒い瞳が金色に変わる。直後、直斗が作り出した歪みとは違う、平面の歪みが次々と現れる。
現れた歪みからは異形の者が這い出てくる。
それらに共通することはみな、醜悪。
多くの者は腐り、蛆や蛭といったような蟲を体に這わせていた。
「行け、我が卷属」
現れた異形は命じられるがまま直斗のいる歪みへと突撃していく。
対消滅。
異形達は己の存在全てを歪みへ叩き付けることにより、歪みを消しさろうとしていた。
人一人分だった球が異形が張り付き、何十倍にも膨れ上がっていた。

しかし、異形の突撃も虚しく、直斗は用を終えたようだ。


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