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子守唄を添えて…
その他リレー小説 - アクション

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子守唄を添えて… 2

「ぐ…あ…」
ドサリと俺は倒れた。
もう逃げることもできなくなった。
「馬鹿ね。無駄だと分かっているのに」
そして彼女は剣を抜いた。
彼女に似合う…長い日本刀だった。
「嫌……だ…」
「さようなら…来世ではいい人になりなさい」
消えていく意識の中に…ただ『子守唄』だけがいつまでも響いていた。

「完了ですか?」
「ええ…後はよろしくね、ハクちゃん」
「分かったッス」
彼女…神夜凛は剣を一振りして剣についた血を飛ばした。
「今回も楽だったわねー。きっとハクちゃんがやっても大丈夫だったわよ?」
「無理ですよ。相手が拳銃を持ってる時点で降伏ッス」
凛にハクちゃんと呼ばれる彼…浅田白斗は死体を大きい袋に入れながらそう言った。
「そう?ハクちゃんならなんとかなりそうだけど…」
「ならないッス。それより、前から思ってたんですけど、弾が相手の体に当たってるやつ。あれ、どうやってんですか?」
「え?ハクちゃん、分かってなかったの?」
「そっちの技術はてんでダメッスから」
白斗は袋に死体を入れ終えると、それを担いだ。
「あれはね?弾を跳ね返させただけよ。相手が弾を撃ってくるでしょ?」

凛は剣を抜いて、体の目の前に構えた。
「剣に微妙な角度をつけて、それに当たって跳ね返った弾は相手の体に当たる…ってわけ」
「跳弾…ってやつッスか?」
「あ…そうそう、それよ。仕組みが分かると簡単でしょう?確かそんなゲームあったじゃない?球を板で跳ね返させて上のブロックを壊すの、下に落ちるとダメなやつ」
凛は微笑みながら言った。
白斗は……そんなに簡単なことじゃない…、と思いながら本部への道を歩いていた。

暗殺集団「アサシード」
結構、『裏』の世界では有名な集団で、たまに政府から仕事が来ることもある。
それにより財産はたっぷりあるはずだが…そんなに豪勢な暮らしができないとこをみると、裏では知らない金回りがあるんだと思う。
暗殺集団となっているが、実際暗殺してる人…つまりアサシンは少なく、ほとんどが殺し屋…ヒットマンである。
俺と凛さんはその部類に入る。
「殺人鬼、リスクランクB、嘉藤剛志を殺してきたわ」
「遺体は?」
「あれ」
「では確認いたします。少々お待ちください」
こうして俺達は報奨金をもらい、生活をする。
リスクランクというのは人の危険度。どれくらい危ない人なのかを表すものである。
下はDから、上はSSまであり六段階である。
ちなみに俺はBで、凛さんはS。Sともなると…もはや人間じゃない。
「ハクちゃん、お金いっぱいもらったわよ♪」
そしてこの人は、プライベート時には決してリスクランクSの片鱗さえ見せない。
「了解ッス。金、どうしますか?」
「そうね…久しぶりに美味しい物でも食べに行きましょ♪」

「すいません、これと、これと…あとこれ。そして…これに…デザートにこれください♪」
ウエートレスさんが困惑しているのは言うまでもない。
「凛さん…そんなに食べるんスか?」

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