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新八剣伝
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新八剣伝 8

ここに『殺人者』がいる……。そう思うと、事ここにいたって、足がすくみ始める。
俺は制服のズボンのポケットから赤色の玉を取り出し、汗ばんだ手で握った。戦闘態勢というには、未だしっくりこない。あまりにも心細い。
『心拍が早いぞ。落ち着け、真一』
「無茶を言うなって…」
一歩足を進める度に空気が濃くなる感じ。息が詰まりそうだった。
廊下の突き当たりの階段を上がって一番奥の教室。そこに、犯人がいる。
「…なあ」
『なんだ』
「今回の件は刹那がやったのか?」
どうしても知っておきたいことだった。ヤツの犯行ならば、俺にも責任がある。なおさら放っておけない。
それに、なぜ彼らは殺されたのか。言い替えれば、なぜ俺がこんなことをしているのか。それを知っておかないと、このどうにもしがたい居心地の悪さを払えそうになかった。
『今ははっきりとは言えん』
…あっさり言ってくれる。
『だが、ヤツに関わることは確かだ。敵対関係において、私に信号を送れる者はそういない』
そうだった。

それに、彼らはいわゆる『弱い者いじめ』専門。恨みを買った側にしてみれば、恋人のように一緒にいる三人を一度に倒すのは難しいだろう。
人外の仕業、か。
『だが君に吉報だ。我々の世界から、私がもっとも新しく送られた。これがどういうことかわかるか』
「え…若い?」
雨音が響く。
『……この場合、最新兵器と考えればいい』
つまりは。
「一番強いってことか」
『そうだ。この戦い、君が相手を倒す気ならば何も問題はない』
事実こいつは自立運動で刹那と互角以上に渡り合った。なら正面から戦える今回は楽勝なんじゃないか…。


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