PiPi's World 投稿小説

バトルアーツ
その他リレー小説 - SF

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

バトルアーツ 1

――S.C12
人類は限りなく生活圏を広め、ほぼ全ての惑星に居住空間を作りまた、人工の居住空間を宇宙に浮かべ暮らしていた。
広くなった生活圏は富や平和を生んだ。だが、幸福を生み出した代わりにそれ以上の悪も生んだ。
惑星間での人々の摩擦、貧困層の隔離、富をむさぼる宇宙政府。
――これはそんな時代に起きた戦争と、戦争に翻弄される少年の話・・・・・・

宇宙。
西暦以前には人々を駆り立ててやまなかった漆黒の海。
惑星ベェーダ。
惑星同士の衝突により軌道を外れたこの星は、今は火星の衛星として孤独な旅を続けている。
その惑星に今、密かに近づく艦隊があった。
紫と青の塗装が施された装甲、宇宙政府の監査軍である。
火星圏は反宇宙政府の旗を掲げており、一触即発の事態であった。なので、宇宙政府が火星を厳しく取り締まるため艦隊をよこしたのである。
ベェーダへ降下体制をとる二つの宇宙戦艦。
少しずつ高度を落としていく二艦。
しかし、大気圏に接触した瞬間爆散してしまった。
監査軍母艦クレアスチールのブリッジは騒然となっていた。
艦長のココリアは眉間に皺を刻み、腕を組み、ただ一人沈黙していた。
「艦長!」
オペレーターの一人が悲鳴にも似た声をあげる。
そして、ココリアが毅然とした態度を崩さぬまま口を開く。
「何故、ナブリアムとサルザンチンが爆発したか、それには必ず原因があるのだ。反抗組織のミサイルか、内部の裏切りか、使える情報源は全て使え。第一種警戒体制!」
喝を入れられたブリッジ要員はすぐさま割り振られた各々の仕事に戻り、さすが軍人と思える行動の速さを見せる。
「衛星からのデータ届きました。モニター出します」

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す