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Hidden
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Hidden 5


次の日、光秀は何もないベッドと机だけの部屋に招待された。
「お前こんな所に住んでんの?」
「ああ…」
いくらなんでも物が無さすぎたか…、俺は少し反省したが、何故か光秀は喜んでいた。
「頼みがある、一生のお願いだ!!」
光秀の一生のお願いはこれで四度目だが、俺はとりあえず話を聞いてやる事にした。
「どうした」
「おお、よくぞ聞いてくれた!!」
光秀のテンションはいつも以上にヒートアップしていた。
「実は殺し屋に狙われているみたいなんだ!!」
殺し屋?俺が一番関わりたくない職業を光秀は平気で口に出した。この辺で縁を切っておくべきか…
「助けてくれ!!」
光秀がそう言った瞬間、俺の嫌な記憶が戻ってきた。

真っ白な部屋に命乞いをする男。彼は娘を守るように立ち、斬られて死んだ。水色のワンピースを着た女の子は、俺を見ると目を瞑り、二度とその目が開く事はなくなった。
当時の俺は冷徹非情で組織の任務は絶対だった。たとえその時殺した二人が家族であったとしても…
「ここに泊るといい」
俺は光秀を助ける事にした、それが今までの事を償わせてくれる気がしたから…
しかし二人で暮らし始めて一か月がたとうとした日、光秀は突然姿を消した。情報をくまなく探ったが何も出てこない、その日はとりあえず一人で学校へ向かった。
いつものうるさい声がない、当たり前がなくなるとどこか虚しさを感じてしまう。
時間になり、金髪の女の担任が入ってくるはずだった、しかし現われたのは何故か図体のでかい男だった。
男は言った、光秀が転校した事、担任と連絡がとれない事を。
放課後、人がいなくなったのをみはからい、俺は校長室に向かった。
「チャップリン、光秀はどこに行った?それと先生は?」
「この件には触れずにいましょう…」
チャップリンは頭を抱えて俯いている。彼の表情は今までに見た事ない程強張っていた。
「何故だ」
「うむぅ…、組織です」

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