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Hidden
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Hidden 4

その証拠として俺は試しに銀牙を抜いてみる。

光っていた。

何故だ…、何故光っている…。俺は素早くそれを鞘におさめた。理由は分からない、だが確かに光っていた。
「これじゃあ、ライトセイバーじゃねぇか…」
俺は刀に対する不満を思わず呟いた。切れ味は最高、しかし真っ暗闇の中で光ってしまえば、俺の居場所は丸分かりだ。
階段を降りながら俺は考えた、“居合”なら光を最小限に出来るのではないかと。
地下の道場で俺は深呼吸をして居合の構えをとる。
居合の稽古はあまりした事がない。俺は暗殺者だったが、対象が兵器工場などの単位で、一つの任務で殺る人数が多かった。剣はしまわない、それが当たり前だった。
その夜、俺は刀を握ったまま眠りについた。


「よっ、飛鳥!」
朝からうるさい声がする、光秀だ。机に顔を伏せている意味が分からないんだろうか…。
「なぁお前って独り暮らししてんだろ?遊びに行かせてくれよ!」
殺そうかと思った。俺の手は自分の腰におかれ、いつでも銀牙が輝きを放てた。
しかしそれは刀があればの話、学校に刀は持ってきていない。
チッと俺は舌打ちをした。
「なぁいいだろ?なぁ頼むって」
「俺ん家掃除してないから」
「気にすんなって、男同士じゃねぇか」
俺は独り暮らしをしていると話をしていた。それがあだとなったようだ。
「独り暮らしの家か…」
「は?今なんて?」
「いや何でもない」
独り暮らし…、悪くない、やってみるか。
部屋を確保するのは難しくなかった。俺は引越しを決めた、荷物はステルススーツと銀牙、あとはむこうで買う事にした。

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