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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 7

「だそうだ、すまんな“町長さん”」
「そうですか…残念です」
そう言うと町長は意外にもすぐその部屋を出て行った。何だか忙しそうだった、きっとその所為だろう。

「おうおう、お前は己を貫くねえ、見直したぜ」
「で、さっきの誰だ?」
「……」
「おいラスティン、無視するな」
オルクスの寝ぼけっぷりに、ラスティンは頭を振りながら溜め息をついた…


数日後の夜─

 “悪魔の山”の麓に、西連合軍の武装兵達が整列していた。悪魔の山とは西の国と東の国との境界線にある山、凶暴な魔物が住んでいる為見張り台や壁はなく、そのまま放置されている地域だった。

「で、二人の魔剣士は連れて来れなかったのか…」
 白い髭面で鎧を着た老人が、町長を睨み付けた。老人は剣を抜くとその側面で町長の肩を叩きだす。

「彼等は連れて来れませんでしたが、代わりの者を連れて参りました、魔剣士達に決して引けをとらぬ者達です」
「ほお、お前がそこまで言うのなら見せてもらおうか、その者達を」
「はっ、お二方こちらへ」
町長が暗闇へ向かって声を出すと、マント姿の二人の人物が現われた。二人ともフードを被っており、顔が隠れて確認できない。

「信頼はしておる、しかし、共に戦う者の顔は見てみたいものだ、東軍と間違えぬ為にもな」
 老人の低い声に対して二人はフードをとってみせた。一人は金髪で25歳ぐらいの小柄な女性、もう一人は30歳ぐらいの渋い顔をした男だった。

「私は“シェリー”、隣りの男は“クリフ”と言います」
「ほお、魔剣士に劣らぬ者達な…いいだろう、ではお前達に先行隊を任せるとしよう」
 シェリーはガッツポーズを決めると町長にウインクをした。クリフは表情こそ変えないが内心嬉しそうだった、部隊員を紹介されるまでは…

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