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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 46

テントで二人を迎えたマイト。彼の無精髭はだらしないモノではなく、何故か皆からの信用を得る漢らしさを漂わせていた。

「ヒヨッコのビリィを連れて行け、あいつは純白の都に行った事のある唯一の村人だ」
「ビリィをですか?」
マイトの言葉にクリフは渋い顔をする。マイトはその反応をみてニヤッと笑った。

「この役はお前達が適任だろ?ビリィの弱さをカバーするにはそれなりの術者でなければな」
クリフは溜め息をつき、シェリーは額に手を当て首を振った。マイトは話を続ける。

「我らの村が第三勢力の攻撃から免れているのが、バリアのおかげであるのは知っているだろ?そのバリアを発生させる魔石の欠片が力を失ってきている、奴等の攻撃が激しいのだろう…。事は一刻を争う、ビリィを連れすぐに出発してくれ」
マイトはクリフの手に書状の入った筒を渡すと、シェリーにキスをしようとして彼女にビンタをされた。
「相変わらずシェリーのビンタは効くなあ…。クリフ!シェリーに手ぇ出すんじゃねえぞ?」
「分かってる。マイトの女に手出したら、命がいくつあっても足りないからな」
「ガッハハハハ、分かってんじゃねえか!!…頼んだぞシェリーと…、この村をよ!!」
マイトがクリフの肩に手を置くと、クリフはマイトの真剣な眼差しに頷いた。

「お〜い?みつめ合ってる所悪いんだけど、ビリィが後ろで待ってんだよねぇ。それと私マイトの女じゃないから、その辺よろしくな」
マイトはシェリーの方へ顔を向けると、“しょうがないな”といった顔をして鼻で笑った。

「ちょっと待て!そんな顔をするな。こっそり付き合ってると誤解されるだろが!」
顔を真っ赤にしたシェリーの肩にクリフは手をのせると、無言で頷きビリィに歩み寄っていった。

「うおい!」
シェリーのその一言で三人はマイトのテントをあとにした。


「自己紹介する。俺の名はビリィ。所持魔法は─」
「アース系術者。村一番の農耕民、その能力は畑を耕す時に重宝される。非戦闘民。」

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