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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 43


「何が目的だ。金か?名誉か?私はデッドカントリーの倍のそれをお前に約束する、私の下へ来ないか?」
プレントが剣を構えながらそう言うと、少年は武器を構えるのをやめた。つられてプレントも剣を下ろすと、少年の姿は突然消え、いつの間にかプレントの後ろにいた。

「北の第三勢力が世界を消そうとしているんだ、今は仲間同士で戦っている場合じゃないと思うんだが?」
「第三勢力のシンナを叩くには、先にその援助者を叩かねばならんのだよ!!」
プレントが力任せに剣を振ると、それは少年の頬をかすめた。少年は宙返りをしてプレントととの距離をとる。

「近くにいた機械兵器は全て破壊した、紛れ込んでた黒いゾンビも倒した。まあ暇つぶしにやった訳だけど…、お前達にとっては死活問題だったんだろ?深い事情は知らないが、第三勢力が脅威っていうのは分かるはずだ。今は苦渋を飲んででも、手を取り合うべきだ」
「なら私に手を貸せ!!デッドカントリーとは共に戦えん、誰かが強力な力で牽制しなければシンナを叩く事は不可能なのだ!!」
「……」
「世界の平和を取り戻したくはないか?」
「…今は魔法の力がどれ程のモノか試している最中だ、そんな暇はない。だが、俺が手を貸す事でこの薄気味悪い空が、青い色を取り戻せるのであれば、それはそれで悪くない」
「ほお、予想外の展開だな…。ラズィ!!もういいぞ」
プレントがそう言うと、何処からともなくその男は現われた。ラズィと呼ばれた男は異様なオーラを出している、まるで体から出る魔力を抑えきれないといった様子だ。

「プレント様、彼は第一級危険人物“デュラン”です」
「報告書は見せてもらっていたが、君があのデュランとはね…。輪廻を拒否する者よ」
「好きで不老不死になった訳じゃない…。さっさと第三勢力との戦いの準備をしろ、俺の気が変らない内にな」
プレントは微笑むと兵士を召集し北へと歩みを進めた。


一週間後…
東国軍の兵士達の屍が転がる戦場“ヘルゲート”で、プレントはシンナ軍と対峙していた。プレントの横にはラズィが剣を肩にのせて立っている。

「やはりマリア達は…」
「マリア将軍の仇討ちですね…。シンナとの戦いが終わった暁には、デッドカントリーに必ずや粛清を!!」
「うむ、シンナを叩き潰し、必ずや東国を元の世界に!!」
プレントが剣を天高く突き上げると、他の兵士たちもトキの声を上げて剣を掲げる。そして一斉に走り出した。プレントは感じていた、この戦いは負け戦であり、ただ志を貫くだけのモノだと。

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