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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 41



同じ頃…
プレントは空を見上げていた。空の色はどす黒く、立ち上ぼる煙りと共に炎で赤く照らされていた。

「まさかここまで技術に差があったとはな…」
司令塔にいたプレントはガラスごしに戦場を眺める。見えるのは二本足で大地を踏みしめる巨大な機械兵器と、それに追われ逃げ惑う東国の兵士達…
デッドカントリーへの粛清のはずが、東国軍は逆に殲滅されてしまいそうになっていた。敵の機械兵器は、東国軍の兵器をものともしない。その数たった四機で東国軍は撤退へと追い込まれていった。

「プレント様、ヘリの準備整いました!!」
「ありがとう、君も早く脱出したまえ」
プレントは迎えに来た兵士の肩を叩くと、屋上にのぼりヘリに乗り込む。
ヘリが飛びたち暫くすると、司令塔が大爆発を巻き起こして消えた。ヘリは爆風にたえ、なんとか体勢を立て直す。そんな中、プレントは窓の外を覗く。近くにあった森は消え、代わりに大きなクレーターができていた。

「四機の“ダチョウ”は消えたかな?」
クレーターをよく見てみると、そこには四つの緑の光があった。プレントはそれを確認すると溜め息をつく。


「瞬時に高密度のバリアを展開する機械兵器ですか…、まるでラズィですね、しかも四人もいる。どうしたものですかね、“ラティス”」
プレントが隣りに視線をやると、ラティスと呼ばれた女がいた。彼女は青白い顔に青い瞳、長い金髪で、白いブラウスの上から銀の鎧をまとっている。

「これで東国の北、東エリアに続き、南エリアまでもが制圧されたわけだ。残りは西にある本拠地だけ、北にいた西国軍らは今頃は…。南に逃げるという手もあるが、“奴等”は我々を受け入れてはくれんだろうな」
「南に?私も人の子だ“スネーク”に手を貸してもらおうとは思わんよ」
「そんな見栄を張っている場合ではないだろ…」
「ダチョウを仕留めるのに蛇の力はいらぬだろ?本拠地で敵を迎え撃つ!!」
プレントの乗るヘリは、黒い雲の中に入って消えていった。残された空や大地は、滅んだ西国のそれと一緒のものだった…


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