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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 39


一週間後…
マリアは西国の“ドレイク将軍”と共に、東国の北国境“ヘルゲート”にいた。ドレイク将軍は自慢の白い髭をなでながら遠くに目をやっている。

「ついこの前まで敵同士だった者と協同戦線を張る事になるとはな。長生きはするものだな、マリア将軍」
「この戦いに勝った暁には西国の復興を支援するか…、プレント様は優し過ぎる」
「追い詰められているのだよ。プレントも、東国もな」
「減らず口を…、貴様らが先陣をきるのだ。手を抜いたら背中から斬り刻んでやるからな」
「ふん、西国精鋭軍の力、お前達の脳裏に焼き付けてやろうではないか」
ドレイク将軍はマリアを鼻で笑うと、自らが馬に乗り西国軍の先頭を走っていった。向かう先にいるのは、西国を消した黒き騎士団である。

「全軍、突撃ぃ!!」
自ら精鋭と誇示するだけあり、西国軍は勇猛果敢に黒き騎士団へ切り込んでいく。先頭のドレイクは老人とは思えない勢いで敵を蹴散らしていった。

「罪人は黙って牢獄に引っ込んでおるがよい!!」
ドレイクの大剣が黒き騎士をまとめてなぎ倒すと、突然黒い影が彼に襲いかかる。その小柄な影はドレイクの左腕に飛び乗ると、持っていたナイフでその腕を斬り刻んだ。


「チッ」
ドレイクは舌打ちをするとその影を振り払う。華麗に着地したその影は、ドクロの仮面をつけた忍者のような姿をしていた。ドレイクが素早く大剣を振り下ろすと、ドクロの仮面は真っ二つに割れた。その仮面の中にあった顔を見ると、ドレイクは思わず大剣を落としてしまった。

「ベスト!!…ぐふっ」
息子の名を叫び、ドレイクは落馬した。ドレイクが脇に目をやると、鎧の繋ぎ目に鋭利な剣が突き刺さっていた。その剣の持ち主は、倒れた彼を見下しながら嘲笑いしている。

「驚いたかな?ドレイク将軍。まあ死んだはずの息子が敵だとは思いもしなかっただろうね」
「貴様は…」
「私ですか?私の名はラル・バースト、死んだ人間を蘇らせる事のできる……“神”です」
戦場の中、二人だけ隔離されているかのように話が続く。


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