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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 37

「そんな…それじゃ私はどうすればいいのよ!なんの為に私は!」
カミルは興奮して叫ぶと、そのまま気を失ってしまった。レオンは倒れそうになった彼女を支えると、一つしかないベッドに彼女をのせ、自分はその下で毛布1枚をはおり夜を過ごした。

次の日の朝
レオンはカミルより早く目を覚ます。ベッドには寝言を言いながら涙を流すカミルがいた。

「5年ぶりの運命の再会かと思ったら、カミルがお姫様になってたなんてな…。牧場の次女じゃなかったのかよ」
レオンはカミルの前髪に触れると、少し笑って見せた。それから暫くしてカミルは起き上がると、顔をくしゃくしゃにして急に泣きだした。
理由は分かっていた…

「レオン、私どうしたらいいの…」
「カミル…」
不安で震えてるカミルをレオンは強く抱きしめた。レオンの胸の中でその震えは少しずつおさまっていく。

ガチャン、何かのぶつかりあう音がした。二人が驚いて階段の方を見ると、両手にスープの入った皿を持った老人がいた。老人は気まずそうな顔をしている。

「今日の朝は一段と冷えるから、温かいスープをと思ったが…いらんお世話だったようじゃな。フォフォフォ」
二人は慌てて手を振りそれを否定すると、老人から温かいスープを受け取り、おいしそうにそれをたいらげた。

「フォフォフォ、お腹は空いていたようじゃな。お嬢さん?もし自分の道が見つけられないようなら暫くここにいるといい、まだ人生は長い。そんな慌てる事もなかろう」
「でも私は…」
「お願いします」
老人の誘いに躊躇するカミル。すかさずレオンが彼女の答えを代弁した。

「レオン!?」
「カミルはよく頑張った。この辺で少し休もう」
「フォフォフォ、優しいボーイフレンドじゃのお。さてと、レオンとやらに少し話がある。一階に来てくれんかの?」
レオンは頷くと老人の後についていく。階段を降りていく間、レオンはカミルが見えなくなるまで、ずっと彼女を見つめていた。

「仕事があるならなんでもします、どんな仕事でしょうか」

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