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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 31

「マスターグルー?」
そこにあったのは緑に光る巨人だった。背中から翼が生えていて、体中にいくつもの管が突き刺さっている。管は緑の光を吸い上げているように見えた。

「遅いですよ?スコット隊長」
スコットは声のする方へ右手を振る。しかしそこには誰もいない、風の槍が床に穴をあけているだけだった。

「どこ狙ってるんですか?」
背中から女の声がした。スコットは振り返ると同時に風の槍を放つが、誰もいない。

「博士は貴方を部隊長にすると張り切ってますが…、部下の私の方が強いかもしれませんね?フフ…」
「クッ、うわああああ!!」

スコットは両手を広げ叫んだ。すると爆音と共にとてつもない数の風の槍が現れ、彼を中心に飛んでいく。避けきれなかった敵は姿を現わした。黒いスーツを着たその女はスコットを睨もうとしたが、その場所に姿はない。

「滅!!」
女の背中からスコットの声がした。彼女は振り返る事もできずに、床へ叩きつけられて気を失った。

「どういう事だ、俺の魔法の直撃を受けて死んでいない…」
「許してくださいね?スコット隊長」
「!!」

スコットは男の声と共に目の前が真っ暗になった。闇に包まれた彼は供給施設から姿を消した。魔石の爆弾をラディに預けて…



数刻後、ラズィはひたすらグルーから供給施設の入口を守っていた。心なしかバリアの色が薄くなってきている。

「スコットの奴何してやがんだ!!もう限界だ」
ラズィはバリアを解くと施設の扉に飛び込み鍵を閉めた。グルーの力は強く、扉がいつまでもつかは分からない状態だ。
ラズィは中に入ると驚いた。誰もいないのだ、光る巨人以外。ラズィは警戒しながら巨人に向かって歩いてみた、床や壁には穴や傷があり、戦闘の痕跡が残っている。

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