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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 30

ラルが頬杖をつくと隊長が闇に包まれる。その闇は隊長を飲み込んだまま静かに消えた。


「隊長!!」
「おいおい何だよいきなり」
スコットが通路で突然立ち止まり叫んだ。ラズィはその様子に困惑している。
「隊長が…」
「どうしたスコット、隊長がどうかしたのか?」
「いや、何でもない…」
 ラズィは肩をすくめるとスコットの前を走り始めた。スコットはその後を追う。
 スコットの腕には爆弾が抱きかかえられている。それは普通の爆弾ではなく、“魔石”を使ったもので、破壊力はデッドカントリーを丸ごと消し飛ばす威力を誇る。
 古の大戦以後、その破壊力故に封印されていたが、プレントは彼等にそれを渡していた…

「スコット!!見えて来たぞ、希望の光だ」
「あれが…」
二人の前に巨大な扉が見えてきた。鋼鉄でできたその扉の向こうにはジルベースのエネルギー供給施設がある。その扉の周りは異様に暗かった。
暗い床部分から赤い光がいくつも上に上がって行く。まるで赤い光を放つ虫が無数にいるかのように。

「こんなとこにもグルーかよ!!スコット、爆弾放すなよ?おりゃ!!」
ラズィが銃を構えると、走りながらそれを撃った。銃弾が白い光を放ち爆発する。それにより大半のグルーが煙りになったが、ゆっくりと他のグルーが姿を現わしてきた。
 走りながらスコットが無言で右腕を振る、するとグルーの頭を宙を舞う無数の風の槍が、粉々に砕いていった。
 グルーの群れに一本の道が開かれると、スコットを先頭に二人は走って行く。スコットが扉に触れる、するとラズィは後ろを振り返りグルーを挑発する。
 グルー群れが一斉にラズィへ飛び掛かる。ラズィの口元が緩むと、彼は両手を広げた。

「スコット!!早く戻ってこいよ?うっしゃあ!!」
 スコットが後ろを振り返ると、ラズィが入口を塞ぐように巨大なバリアを張っていた。スコットは頷き供給施設へ入っていった。
 施設内はドーム型になっていて、緑の光がそこを包んでいた。スコットはドームの真ん中、エネルギーの供給源に目を向ける。

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