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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 27

「君達二人が東軍でずば抜けて強いのは知っているが、作戦ぐらいは頭に入れといてくれ」
「俺は自爆だって知っていました、ラズィを試してみたんですよ」
「いや作戦では花火を上げるって……んな事言ってないっすよねぇ、あはは…」
「…もう一回だけ作戦内容言うから、ちゃんと聞いといてくれ」
隊長は深い息を吐くとそれを話し始める。

「今回もプレント様の密命だ、目的はデッドカントリーへの粛清。まぁお前らは目的を知りたがらないだろうから深い事は省略」
隊長の言うように目的に対しての二人の反応は極めて薄い。隊長は続ける。

「次は計画、この密林の先に“ジルベース”という要塞がある。そこへ侵入し、爆弾をしかけて脱出する。その際出来れば“生物兵器”または“人工生物”の情報を奪取する。脱出後、我々は北西の山でヘリを待つ。以上だ」
「最強の要塞ジルベースに侵入か…やってやろうぜ、スコット!!」
「“最強要塞”なんて隊長は一言も言ってなかったぞ、ラズィ」
「スコット何言ってんだ、モチベーション上げる為に決まってんだろ?」
「ゴホンッ二人とも、作戦はさっき言った通りだ。帰りの心配はそれ程必要ない、問題は侵入戦の方だ」
「隊長、心配すんなって。どでかい花火、敵要塞に上げてやりましょうぜ」
「ラズィの言う通りです、腕には自信があります。さぁ行きましょう」
「二人とも……頼り甲斐があるような、ないような…。とりあえずいってくるよ、アンナ」
隊長は疲れた顔で天を仰ぐと、妻の名前をボソッと呟いた。

「隊長何やってんすか?」
「行きますよ?隊長」
二人の若者が隊長に向かって手を振っている。今から敵要塞に乗り込むというのに、二人からはその緊張感が伝わってこなかった。

「まるで遠足だな」
隊長はそう言うと苦笑いをしながら戦場へ向かう。暫く走り密林を抜けた先には、円状に広がるコンクリートの地面があった。
その中央に建っている物騒な建物がジルベースだ。至る所にライトが付けられ、建物に行くまでに見つかりそうに思える。それに加えて数機の戦闘ヘリが辺りを飛び回っていて、侵入する隙がない。

「隊長、どうやって侵入するんすか?」
「隊長、俺の魔法を使うというのはどうでしょう?」

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