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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 22


「この前グルーが侵入した時から、町長が入口に見張りを置くようにはなったが…やっぱ任せてらんねぇな」
ラスティンが遠くを睨みつける。その先には黒き騎士団が走って来ていた。馬の足音が谷間で重低音となって響いている。
 騎士団の使っている黒い馬は、照り光を放ち、グルーの馬バージョンといった感じだ。乗っている騎士も、人間とは違う異様なオーラを漂わせていた。

「魔剣士ラスティン、行くぜえ!!」
走り行くラスティン。彼は両手で剣を握ると、敵に攻撃される前に敵を馬諸共斬り上げていった。ラスティンは休む事なく、豪快に次々と敵を斬り捨てていく。
 黒い騎士達は宙で黒い煙りを上げて消滅していく。煙りを上げないで倒れる者もいたが、ラスティンはそれを無視していた。
 ラスティンの斬撃は敵を真っ二つにして一瞬で命を絶つ。それ故に倒れた騎士が人間だったとしても、生きてはいない。彼の剣を受けた者を、助けようとするのが無駄なのである。
 どれだけの騎士を斬っただろうか、ラスティンは気づくとライフロードの出口が見える所まで来ていた。敵の気配はもうない。

「後続部隊、打ち破ったり!!」
誰もいないその場所で、ラスティンはそう叫ぶと町に向かって引き返していった。町の入口に着くと、彼は入口の見張りをしていたピピンの横に腰を下ろし目を閉じる。
 ラスティンはそこで耳をすませるが、騎士団の足音はしてこない。彼は安心したのかそのまま眠りについた。

その日の夜。町の兵(ツワモノ)達が町長の館に集められ、その中にラスティンとオルクスの姿があった。

「今回、この町は籠城をする事となった、それに伴いガラ空きになっている空にバリアを張る事になった」
バリアという初めて聞く用語に、兵達は少しざわめき始めた。町長は袋の中から一つのオーブを取り出す。
「皆にはあの絶壁を登ってもらい、このオーブを設定してもらう。このオーブが透明の天井を作ってくれる訳だ」
兵達はバリアを透明の天井と理解すると、町長からオーブを受け取り、各自与えられた場所を登り始めた。
 ラスティン達もそれを受け取ると“壁”を登る事にした。壁は平らになっていて、手足の置き場がない。まずはクロスボウで頂上に鉤爪をかける事から始める。
 今回支給されているクロスボウは新型だ。弦に龍の髭を使っているらしく、射程がかなり伸びたという話だ。

「龍の髭ねぇ、月まで飛んじまうんじゃねえか?」
「先に行ってるぞ」

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