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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 19

「おそ〜い。もう、待ってたんだからね?」
「悪かった」
いつも無表情のオルクスが少しだけ微笑んだ。部屋の外にいたラスティンと町長は、やれやれといった顔をするが、フェブルウスはあまりいい顔をしていなかった。

「お父様、少し散歩に行ってきます」
「日が暮れるまでには帰ってきなさい?オルクス、娘を頼みます」

カーミラは大喜び。しかしオルクスは直感的に腰の剣に手をかけていた。フェブルウスの横を通り過ぎるまで。

「町長!どういう事ですか?」
「フェブルウス…どうした、そんな恐い顔をして。たまには娘の事など忘れて、君も休みをとるといい」
町長は笑顔でそう言うと、ラスティンを連れて一階に降りていった。フェブルウスが窓の外を覗くと、カーミラが知らない男と楽しそうに歩いている。彼の腕は震え、いつしか窓に足をかけていた。

「止めとけ、こんな所から飛び降りたら怪我するぞ」
フェブルウスが声の方に振り向くと、ラスティンが腕を組んでそこにいた。

「貴様がアイツを連れて来たのか?」
「ああ、オルクスがどうしても来たかったらしいからな」
「私は一年も彼女の護衛をしてきたのだ、信頼も得る事ができた…」
「おう、それで?」
「今さら何しに来た?カーミラが本心で喜んでいるとでも」
「ん?う〜ん。何だ、お前はカーミラの今カレなのか?」
「今カレ?」
「あ〜。お前はカーミラと恋人同士なのかと聞いているんだ」
「恋人同士…、そうではないが…」
「何だ、じゃあ問題ないじゃねえか」
「しかし…」
「オルクスはお前が来るずっと前から彼女を見守ってきたんだ、ちょっとデートするぐらいで罰は当たらねえよ」
「私は…」
「おうおう!カーミラが好きならそれをちゃんと伝えな、それができないなら諦めるんだな」
「……」

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