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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 18

「だが?」
「黒い騎士が集っていた、力は違うが奴等の気配はグルーと似ていた…死者の群れだ」
「死者の群れ、ですか…」
「北は過去の戦争で敗れてから罪人となり、国は“牢獄”と呼ばれるようになったが、まさか牢獄内で更なる罪を重ねているとはな」
「分かりました、部下を調査に送る事にしましょう」
「駄目だ。北の罪人達は、魔法が使える…」
「おうおう、何で俺達を使わない?町長の部下より俺達の方がよっぽど使えるぜ」
「もうすぐ西の国は消える…」
「はぁ?何言ってやがんだ町長」
「罪人達が死者を使って南下する。オルクスが見たのは破られた国境だ、国境の部隊は全滅、援軍も送ったが消息不明だ」
「おう、何でそんな大事な事隠してやがった!!」
「私も今聞いたばかりなのだ…私のやるべき事は町の人々を南へ避難させる事。その時に君達の力を貸してほしい」
「おう、そりゃあ殿(しんがり)を務めるって事か!?」
「そうだ、力を貸してもらえないか?武具なら好きなのを持っていってくれてかまわん、今は無理だが報酬は必ず…」
「おっと報酬は前払いだ、なぁ?オルクス」



二階のその部屋の前には、紫の髪をした男が白いスーツを着て立っていた。男の鋭い目がオルクスの目と睨みあう。

「殺されに来ましたか?」
「いやぁ“フェブルウス”君。オルクス君を部屋に入れてやってくれないか」
「町長!?は、只今」
フェブルウスはオルクスの後ろから出て来た町長の顔見ると、態度をがらりと変えてその扉を開けた。
 その部屋には茶色で長い巻き髪の女性がいた。長いまつげが彼女を色っぽく見せている。ロングスカートのよく似合う町長の娘だ。

「貰ってくれ」
 オルクスはタンポポの花束をその女性、カーミラに差し出した。カーミラは花束に手を伸ばすと、それをベッド投げて、代わりにオルクスの手をとった。

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