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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 17

オルクスの第一声にピピンは笑顔で答える。

「カーミラお嬢様は二階の自室にいると思いますよ、今は入れないですけど」
「何故」
「新しく雇われた護衛の者が堅物でして、町長が一緒でないと入れてくれないのです」
「そうか、では早く町長に会わなくてはな」
「もうすぐですよ、ほら、ここです」
ピピンは立ち止まるとその部屋をノックした。扉は他の部屋と変わらないデザインで、しっかり場所を覚えてないと間違えてしまいそうだった。

「町長?おかしいな、いるはずなんですけど…」
ピピンが何度ノックしても返事がない、彼はドアノブを回すが内側から鍵がかけられ開けられなかった。

「町長?町長!!」
不安にかられたピピンが扉を叩く。すると扉から鍵のあく音がして、それはゆっくと開いていった。

「ピピン、すまなかった。少し考え事をしていてね、お客様は応接室へ案内してくれ、私もすぐ行くから。頼んだよ?」
「了解しました。ラスティンさん、オルクスさん、町長の準備ができるまで応接室によろしいですか?」
「考え事ねえ…」
「ラスティンさん、どうかされましたか?」
「いんや、何でもない…」
ラスティンはタンポポの時より難しい顔をしている。彼は扉の間から見ていた、町長の部屋にもう一人誰かいるのを…
 誰がいたのか疑問に思いながらも、ラスティン達はピピンに言われた通り、応接室で町長が来るのを待つ事にした。待っている間に心なしか、タンポポがしおれてきた気がする。

「待たせてしまって申し訳ない、それで話というのは?」
町長は入って来るなりすぐ話を始めた。“無駄な事はしない”主義らしい。

「おう!よくぞきいてくれたぁ、北の“牢獄”の様子がおかしいらしい…どうだ?調査に俺達を使うってのは」
「北の牢獄、ですか…どこからその情報を?」
「それはだなぁ…おい!オルクス」
「三日前、昔手に入れた“ヴァイク”で西国の北国境を走ってた時だ。黒い鎧の騎士団に襲われた、皆殺しにしてやったよ、一人残してな。その一人を追ったら牢獄についたんだが…」

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