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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 15



「“西軍『悪魔の山』から先手を打つ”物騒な世の中だねえ?マスター」
とあるカフェのカウンター席で、ラスティンが新聞片手に溜め息をつく。彼はもう片方の手でコーヒーカップを握ると、それを口に運んだ。

「まぁ俺達には関係ない話だろ、オレンジジュースを頼む」
「おうおう、オルクス、またオレンジジュースかよ」
「ラスティン、オレンジジュースこそが、大地の恵みなんだ─」
「まぁその話はおいといて、今日は何か面白いネタ持ってんだろ、顔に書いてあるぜ?」
マスターはグラスを拭きながら横目でオルクスの顔を見てみた。…しかし、そこにあったのはいつもと変わらぬ無表情なオルクスの顔だった。

「分かるか?」
表情を変える事なくオルクスはそう言った。その時マスターが心の中で“どこがどう違う!!”と叫んだ事は誰も知らない。

「おう、何があった?」
「“牢獄”に不審な動きあり、戦いの気配がする」
「おうし、これで嬢ちゃんに近付く口実ができたな!!早速町長の所に行こうぜ」
「花は何がいいと思う?」
「花ぁ?嬢ちゃんにプレゼントか?」
ラスティンの問いにオルクスは無言で頷いた。それを見たラスティンは顔に手を当て天井を見上げる。

「あちゃあ、おじさんオルクスにそんな気遣いができるなんて知らなかったよ」
「で、何の花がいい?」
「ん〜、分からんなぁ、宝石なら昔贈った覚えがあるんだがなぁ…」
客人二人がゆっくとマスターの方に振り向くと、マスターは机の上に花のカタログをそっと差し出した。

「おう、やるなマスター。これで嬢ちゃんへのプレゼントが決められるな」
「すまないマスター」
「よっしゃ、どれどれプレゼントに最適なのは…」
「これにしよう」

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