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龍戦記〜龍の力を受けし者〜
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龍戦記〜龍の力を受けし者〜 12

クリフがその巨人を見上げていると、腕の辺りに人がいるのが分かった、目を凝らしてみると、それはレオンだった…


「チッ早く来いよ!!アイツ何ボーッと見上げてんだ」
 レオンは巨人の腕に剣を突き刺し、落ちないようにしていた。巨人の体からはウルフグルーやノーマルグルーが湧き出て、レオンに襲いかかろうとしている。

「この巨人がマスターグルーなのは間違いないけど…、どうやって倒す?」
 レオンが倒し方を考えてる間に、グルー達は容赦なく襲いかかってきた。レオンは自分の攻撃範囲内に敵が入ると、突き刺していた剣を抜いた。
彼は流れるように剣を振り、次々とグルーを煙りに変えていく。 剣の流れが止まる事なく続くが、それにも限界があった。レオンにも次第に疲れが現われていく、最後には考え事をする余裕がない程戦いに必死になっていった。

「クソッどんだけ倒せば終わるんだ!!…仕方ない」
 レオンは再びマスターグルーの腕に剣を指す。するとその剣から突風が吹き、グルー達は飛ばされていった。
 レオンの剣を中心に大きな魔方陣が現われ、輝きを放つ。魔方陣の中に入ろうとしたグルーは一瞬で煙りになっていった。

「いでよ、“サーペント”!!」
レオンが叫ぶと、魔方陣が目を開けていられないぐらい強烈な光を放つ。

「我を目覚めさせるとは……愚か者よ!!」
魔方陣の光が消えるとそこには背の高い男が立っていた。男が軽く手を振ると、触れてもいないのにグルー達が昇華されていく。グルーで埋め尽くされたその場所は、瞬く間に一掃された。

「さすが“魔王”の名を持つ男……うっ!!」
喜びも束の間、サーペントと呼ばれた男はレオンの首を掴み天高く持ち上げた。

「久々に下界に呼ばれたのだ、楽しませてくれ」
男は包帯で目を隠し、腕には鎖がついている。背中にはレオンの身につけているペンダントと同じ形をした紋章が刻まれていた。

「ゲホッ、力が余っているようだな…」

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