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Step up!
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Step up! 24

「おりゃ!」
マイケルは剣で切れるだけの枝を切り落としてゆく。
「ファイヤー!」
カレンは切り落とされた枝を片っ端から燃やしてゆく。
枝は暴れ回るが、お構いなしに切って燃やす。
「よっしゃ!」
「やった━!」
枝は全て消えた。後は幹だけだ。
幹が、いや、幹の顔がこちらを向く。その目は怒り狂っていたが、枝のない化けた木は、成す術がない。
「カレン…俺の魔力を少し分けるから…焼け!!」
木の目は悲しそうだ。
「うん!」
カレンは考える。何を唱えようか。
「よし…」
杖を高く掲げ、上を見る。

「熱き太陽よ、その力を我に与えよ!……プロミネンス!!!」
…燃え盛る木の幹。美しい炎。
「太陽の力を利用するとは…。なかなかやるな、カレン。」
「ありがと!」
木の輪郭が薄れてゆく。
「そろそろ消して良いんじゃないかな?」
「だな。…ウォーター!!」
木の上に落ちる大きな水柱。
「ふぅ…。」
炎は消し止めた。
「さて、掘り起こさなきゃいけないね。」
「いや…その必要はないぜ。」
焼け跡から這い出る…兄と親友の姿だ。
「メアリー!」
「セージ!」
お互いに駆け寄り、感動の再会。

「カ…レン…怖かったよ〜!!!!!」
メアリーが泣き出した。
「怖かったよね、気付いてたよ…。」
「ありがとう、マイケル、カレン。助かったよ…。ほんと…助かった…。」
「どういたしまして。」
4人は民宿に向かった。もう正午だ。

民宿のドアを開けた。広がる香しい─薔薇のスープ─の匂い。
「ただいま、4人で帰りました!!!」
ルシャトリエが玄関にやってきた。
「おかえりなさい。4人で帰ってくると、君達なら以前の花園を取り戻すことが出来ると信じていたよ。」
ルシャトリエは嬉しそうに言った。
「ありがとうございます。」
「食事の準備が出来ているから、手を洗っておいで。」
「はーい!」
……こうして、4人は桃色花園の怪事件を解決した。

「ねぇセージ、見て、これ!」
カレンが手にしているのは風で届く新聞。
「どうした?」
事件解決から4日。今日は学校に行く日だ。レポートはバッチリ仕上げた。
「この記事!」
カレンが指差した所には、
『バナシュ村盗賊高校生が御用!』
『桃色花園の怪事件解決へ一歩前進』
の見出しがあった。
「へぇ!」
「やったね、セージ!」
「俺、あんま活躍してないけど…。」
「そんなことないって。あ、そろそろ学校行こうよ!」
「そうだな!」
カレンは新聞を畳み、机に置いた。
「いってきます!」

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