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Step up!
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Step up! 1

〜プロローグ〜

カレンは魔法界の高校1年生。名門中高一貫校・ダイヤモンド学館に通っている。
ある日、カレンは森にいた。新しい杖を作る木を切るためだ。
「えいっっ!!えいっ!!!」
バサッ…。
「やっと切れた…。」
ダイヤモンド学館に入学した時に植えた苗木は、他の誰の苗木よりも、太く大きく成長した。この木「マジカルウッド」は植えた者の魔力の強さに比例して成長すると言われている。カレンは子供の頃から「神の子」と言われるほど魔力を持っていた。
「おーい、カレン!」
カレンを呼ぶ声がする。
「セージ。」
セージはカレンの双子の兄だ。セージも強い魔力を持っているので、木はかなり太い。

「切り終えたな。ジゼルさんの所へ行こう。」

ジゼルさんは二人の近所に住む杖職人だ。

「おぉ、マジカルツイン。」
二人は魔力のある双子なので、こう呼ばれている。
「ジゼルさん、石付の杖を作って下さい。このマジカルウッドでお願いします。」
二人は重い木を差し出した。
「わかった。この荷札に名前を書いて、枝に結んで、置いてくれ。」
「はい。」
ペンで荷札に名前を書き、針金を枝に結んだ。
「マジカルツインよ、石は何だ?石との相性は占ったか?」
──石との相性は石付の杖を作る上で重要視される。隠れた力を引き出す、大きな要因だ。
「僕はエメラルドでお願いします。」
「私の杖はルビーをはめ込んで下さい。」
「わかった。3日後には出来上がるから、そのころに取りに来なさい。入学式には間に合うだろう。」
ジゼルさんはメモに石の名前を書き込みながら言った。
「はい!」
二人は元気よく答えた。
「入学式までに揃えなきゃいけない物って、後はなんだっけ?」
入学準備は、内部進学とはいえウキウキする。新しい杖、新しい制服、新しい教科書…。
「新しいアクセサリー買わない?」
カレンが言った。アクセサリーとは、魔力を制御するはたらきがあるものだ。
「…そうだな。新しい杖は強力だろうし。カレン、よく暴発するもんな。」
「セージだって暴発するじゃん!」
二人はひいきのアクセサリー職人、ミレーの元へ向かった。店のドアを開けた。
「ミレーさん、こんにちは。」
「あら、マジカルツイン。どうしたの?」
「アクセサリー新調しようと思いまして…。」
「進学するものね。さぁ、どれにする?それともオーダーメイドにする?」

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