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Step up!
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Step up! 22

「二度寝しないでよ。」
と言い残し、カレンは部屋から去った。
「セージは苦労してるな…。」
食事を済ませた後、二人は作戦会議を始めた。
「移動が大変だよ、まったく。」
「マイケルいないから飛べないしね。」
カレンはメモを取る。
「マイケルって、剣扱えるっけ?」
「もちろん。木は切り倒すか?枝は焼いた方がいいような…。」
「うん。枝は焼いちゃう。でも幹は焼くより切るのが安全だし。」
「まだ…無事か?」
「うん…ただ気になるのは、…二人がとてつもない恐怖を味わってるのが伝わってくることかな…。」
「恐怖…か。急がないと。過剰な恐怖は人を…死に追いやる。」
マイケルは心理学が得意だ。
「…とりあえず木の所へ行ってみない?」
二人で大きな傘をさし、民宿を出る。
「私、道を作るから、傘持ってくれる?」
「いいよ。」
カレンは手の平に火の粉を出す。
「このまま真っ直ぐ行くよ。」
地面に火の粉を叩き付けながらゆっくり前進。マイケルはゆっくり着いていく。
…20分後。
「たどり着いたね。」
「二人が呼ぶんだもん。こっち、って。」
兄と親友を飲み込んだ木。兄と親友に恐怖を与えている木。
急に雨足が強くなった。
「カレン、今日は戻らないか?」
「そうだね。ここから20m…走るよ!よーい、ドン!」
「あ…おう!」
カレンとマイケルは急いで木から遠ざかった。
「…ふぅ…。」
「びっくりさせるなよ、カレン。」
「10秒遅かったら…危なかったよ…。」
「そういうことか。」
雨の中、大きな黒い傘が木から遠ざかる。
もう午後だ。
「午後、どうしようか…。」
カレンは少し疲れている。
「この天気と、俺たちの今の体力・魔力だと、午後動くのは厳しいと思う。」
「そうだね…メアリーが心配だけど…」
「セージは?」
マイケルがつっこんだ。
「セージもね。あ、レポートの下書きでもやっとく?ちゃんと書かないと響くらしいよ。」
「そうだね。それで明日に…備えよう。」
昼食を済ませ、居間でノートを開き、ひたすら下書きを書いた。
時はあっという間に流れた。
入浴を済ませて一頑張り。夕飯を済ませ、もう一頑張り。
8時。
「疲れたー…。」
カレンは机に突っ伏した。
「そろそろ寝るかな…。」
マイケルは伸びをする。
「頑張ってましたね、二人とも。安眠効果のあるお茶ですよ。」
カトリーヌがお茶を持ってきた。
「わぁ、ありがとうございます!」
「しっかり寝て、明日も頑張って下さいね。」
「はい!」
胃の中に広がる安心感。明日の元気。
「では、おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい。」
さて2日目のリナ達はどうしているのか…。

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