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Step up!
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Step up! 19

そのとき、桜の木が振り向いた!目と口がある。
「出た!」
「本に描いてあったのと似てるな。」
枝が激しく動き、4人の方へ伸びて来た。
「どうしよう!」
そのとき、枝の動きが止まる。
カレンの右の手の平にら小さな火の粉が浮かんでいた。
「…え─い!!」
カレンは火の粉を化けた木の目に投げ付けた。
火の粉は目に当たったが、
「効かない!」
焼け石に水。木は無数の枝を延ばし、
「嫌ああぁ!!!」
メアリーに絡み付いた。メアリーは動きが取れない。
「メアリー!」
カレンは火の粉を投げまくる。セージとマイケルも、苦手な炎魔法をぎこちなく使い、メアリーを助けようとした。
でも効かない。そうこうしているうちに、
「ああぁ………」
メアリーは木の口に消えて行った。
「メアリー!!!」
木は枝を元に戻し、動かなくなった。
「メアリー…うぅっ…うぅ…」
カレンは泣き出した。
「畜生…」
言葉遣いが丁寧なセージも、悔しがる。
カレンはふと、ブレスレットを見た。中等部時代に買ったメアリーとお揃いのブレス。
はめ込まれた水晶が光っている。
「メアリーが…助けを求めてる。まだ…生きて…る。」
「カレン!」
カレンは倒れた。
「すー、すー、すー…」
寝息を立てている。
「おい、セージ。妹が寝ちまったぞ。」
「やれやれ。世話がやける妹。」
「一度、民宿に戻ろうか。」
「そうだね。この妹を置いたら来よう。」
セージとマイケルは、民宿にカレンを置き(きちんと寝かせ)、再び事件多発地点にやって来た。
「この土地に化け物がいても、不思議ではないね。」
セージが切り出した。
「なんで気付かないんだろう。大人は。」
「ここ固いから。」
と頭を指差した。
セージは小瓶を懐から出し、土を中に詰めた。
「なんでそんなことするんだ、セージ?」
「昔から気になっていた。他の土地には有り得ない、ここの現象が。3年前にここへ来た時からずっと。」
きっと土に何かある。
「まぁ、これを詳しく調べるのは無事に帰ってからかな。」
瓶に栓をして、それを元にしまった。
「出来ればあの桜の枝も持ち帰りたいんだけど…」

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